第20章 星空の下で愛を語らう
管理されてる所かと思った!と驚きつつ、任務もあるし訳ありなんだろうって思うけれど。
まあ…キャンプをするのにロケーション的には良さそうだし、寂れた公園…、人も居ないから貸し切りであるし。気持ちを切り替えてシートベルトを外しつつ『で?』と悟に聞く。
『じゃあ目的地に着きましたって事で。任務っていつ行くの?』
日中でも帳を降ろせば炙り出せるんだし。どこに出るとか知らないけれど。
悟は運転席のドアを開け、私を見ながら後部座席のスライドドアをボタンで開けてる。森の中の小高い場所、心地よい風が車内に入り込んできた。
「んー?テントとか設営してからかな。その方が任務終わった後にのんびり出来るでしょ?」
運転席から降りる悟を見て私も助手席から降りる。うーん、と背伸びをして身体を解して。
荷物を運ぼう、とスライドドアの開いた後部座席の前に立つ。悟が大きいものを手にとって引っ張り抱える。私も大きいものを手に取り引っ張って抱えた。
後はカゴに詰めた細かいものも。だいたい同じ量を持って、悟が先頭に砂地と刈り込まれた草のある公園の方へと進む。
立ち止まってちょっと考えこむ悟は頷くと、荷物をドサッ、と置いた。そこは短く刈り込まれた芝と芝のハゲた土の見える境界線の場所。
「よし!よく聞け、いいかー?ここをキャンプ地とする!」
『……ドイツの道端かな?大泉さん』
袋から悟が取り出すのはテント。布を持って広げ、伸縮性のあるロープの入った何本もののポールを一本へと組み立てながらテントとなるひらひらとした布の所定の場所にポールを通していく。組み立てのポールは四本程入ってるから私も繋がった、折りたたまれたポールを伸ばしてはカチカチと一本のポールへと見様見真似で組み立て始める。
なんか……いかにもアウトドアです、って雰囲気でちょっと湧き上がるワクワク感。
何でも出来る人、というか慣れてるような手付きの悟にちょっと尊敬する。
『うーん、ビニール?なのかな、テント独特の匂いする。小さい時の家族で行った時以来かなー、キャンプって。懐かしいかも』
管理された場所でやってたからこういう個人でのって感じじゃなかったけれど。
骨組みを布の所定の場所にくぐらせながら、悟は、へー、と相槌を打ちながら同じ様に二本目の骨組みを入れている。