第20章 星空の下で愛を語らう
皿に乗せたスコーンを持って、ぺこっ、と上半身をお辞儀させる悟。お調子者だなあ。ふふっ…と笑ってるとテーブルにスコーンを運んでいった。
敢えて言わないけれど毎晩えっちしてる割に今朝は結構だるい。そりゃあ相手は疲れ知らず、こっちは疲労はちゃんと感覚としてよく分かる方。
体調不良っていうか、疲労でのだるさ。途中で栄養ドリンクでも買って飲んどこうかな…。それくらいには残ってる。
にこやかな悟は頷いてサムズアップしてる。疲れ知らずだよなー、この人は。安全だという悟を信用して私は悟に任せる事にした。
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高専のワゴン車をレンタカーの様に使っているけれど、これも一応任務でもあるし……と、いつもよりは罪悪感が薄れてる。
ただ積み込む荷物が送られてきたレンタル品のキャンプ用品。任務らしさを全く感じさせないものばかり。あと、今日までに買っていた細かな用品。うん…コレモ、任務デスカラ……。特級呪術師様もおられますし…ね?
ピピ…バタン、と後部座席のスライドドアを締め、助手席に私は乗り込んだ。久しぶりの運転席以外の座席が新鮮で。
右側に座る本日の運転手こと、悟を見る。任務っていうけど完全オフな私服で顔は学校や任務で使ういつものアイマスクじゃなくてサングラスをしている。
『……流石にアイマスクじゃないんだねー』
「そりゃあそうでしょー、僕にはちゃんと見えてもさ。運転中をマッポに見付かったら真っ先に停められるもん」
『マッポ言うなし…』
サングラスを掛けた悟は自身の携帯を見ながらカーナビに行き先を入力してる。「便利だよねー、」と入力を終えて隣の私を見た。少し下がったサングラスの上部から見えるスカイブルーが笑ってる。
「じゃあ行きがてらホームセンターと食料品を買い込みにスーパー寄るよ。助手席のオマエは寝てても良いけれど僕を退屈させないように時々"ラブラブ愛してるっダーリン!"って言ってくれれば良いよ!車にガソリン、悟に愛情ってね!」