第20章 星空の下で愛を語らう
「僕らほぼ毎日えっちしてるじゃん?やけに今日のオマエ疲れてそうだったしねー…まあ、昨晩激しくしたのが原因だろうけど。日頃の疲れもあるだろうし運転は今日は僕に任せなさい!」
片手で自身の胸に手を当てる悟を見て私は思う。
『(免許持ってたのか…)』
「免許持ってたのかって顔してるねー、僕だって運転免許証くらいあるよ、なんだって出来るもん」
『あの、思考を読まないでくださいます?』
ちょっと踏ん反り返り、スパダリを讃えよ!と朝から五条悟節全開であるけれど、その後慌ててスコーンの具合をチェックしてるおっちょこちょいなスパダリ。
意外ではあるけれど、運転する姿を見た事がないから不安にもなる。ペーパーであったらどうしよう。ウン年ぶりで事故っちゃった、キャンプどころじゃないねえ…JAF呼んじゃおっか!な展開もありえる。あれ(事故)、場所によっては通りすがりの車が減速しながらじろじろ見てきて公開処刑なんだ。
かつてのパート先、バイトの学生が言ってた。ついでに「合流地点でガス欠して、JAF呼んで10リッター8000円掛かっちゃいましたよ…」と。
休みの日に悟にやらかされて公開処刑される展開は嫌だなあ、と考えて私は黙り込む。
オムレツを作りつつ、悟に運転任せんのどうしようか悩んでいたら隣で火を止める動き。スコーンが焼けたようで。それに合わせて私の考えも出来上がる。うん、やっぱりここは悟よりは慣れている私が運転すべきだよね。
卵を寄せる作業をしつつ、焼けたであろうスコーンを警戒して突いてる悟を見上げた。
『運転、私がするよ。悟動くものに車ツッコんで行きそうだし。猫だ!とか第一村人発見!だとかさー』
「リアルグラセフってかそんな危険運転はしねえよ?
……大丈夫、僕に全てを委ねてくれて良いんだよ?旦那さんがとびきりの安全を約束するから」
……大丈夫かなぁ。ひとつ目のオムレツを作り終えてバターをフライパンに入れてふたつ目に取り掛かりながら悟をじっと見て。
最悪怪我をしても私も悟も治せるし。ほんっと最悪の事態になったらの場合だけれど。そこまで言うのならば悟に甘えておこう。不安だけどさあ……。
『じゃあ悟に運転、任せた!』
「ジョー・アーギャー!」
『……インドの執事かな…?』