第20章 星空の下で愛を語らう
普段から責めるほどじゃない遅刻をしたりする割にこういった事についてはめちゃくちゃ早く、計画が完璧だったりする悟。私の週末の予定が彼によって決まってしまった。
さっきまでそんなにノリ気ではなかったけれど…行くとなれば期待もしてしまうモンで。うーん、細かいもの、何持ってくべきかな……。ちょっとわくわくしてきた、かも。
『じゃあ土曜日かー…、虫除けと、花火大丈夫なのかの確認と…あーご飯何にする?』
「行くとなったらノリ気じゃん。やっぱキャンプっていったら王道のカレーでしょでしょ?」
……。
太ももに乗せていた悟の頭。ちょっと持ち上げすっ……と自身の体を引き抜く。
えっ?という顔をしてベッドにばすっ、と倒れ込んだ悟は起き上がって私の横に座った。
「えっ、カレーじゃないの?」
『肉&ビール、これぞ料理の法則、優勝の秘訣』
「任務あるんだよ?目がガチなんだけどアル中。程々にしないとお酒禁止条例を発令するよ?」
『えー』
そんなに毎日お酒飲んでるってわけじゃないんだけれどなぁ。
けれどもやっぱこういうアウトドアって言ったら普段よりもワイルドな調理で缶ビールが美味しくなるって魔法が発動する。悟がお酒飲めないのならバーベキューなり焼き肉なりにすれば良いんだけれど。
余計な一言が多いのがこの男。眉を潜め、私の顔を覗き込んできた。
「日本号だとかラムレッダとか岡田以蔵ってよりキミはヤンキー属性バリバリだから河井星矢タイプの酒豪?」
なんで最終的にヤンキーに行くねん。
売る喧嘩にちょっと購買意欲が出てきたんですけれど?とこちらから悟の顔を覗き込む。メンチの切り合いがベッドの上で行われていた。
『そんなシャブ中&守銭奴じゃねえよ?せめてニャンコ先生とかミサトさんくらいにもうちょっと可愛い名前出さんか』
「なんか言った?」
『戦争だな、よろしい……クリーク!』
悟のダメ出しとエリートじゃないヤンキー認定にムッと来た私は、手を悟の前髪に触れわしゃわしゃ擦るように撫でた。
『ハゲろーハゲろー、しかもコメントに困るモーゼハゲとかぬくみずスタイルのハゲ方しろー』
「やだ、最強はハゲない!呪い込めて擦んないでくんないかなー、オマエのせいでハゲてヅラ被って僕の部下に影でキャップとかあだ名着けられたらショックなんですけどぉ!?悟君の毛髪をもっと大事にして!」