第20章 星空の下で愛を語らう
まさかあの時の…いや、あの時のかもって考えになる。
冷静になって定期的に生理は来てるし、ピルも飲んでる。ちゃんと危ない時は避けて最初からゴムをしてる。
予防策が取れなくなるのは私がやらかした時か、卒業後の話。今すぐなんてことはない。
うん……大丈夫、なハズ。と至近距離の悟のサングラスの端からこちらを見ている青を視線を合わせた、
『んなわけない、はず。私妊娠してないもん』
んふふふっ、と変わらずねっとりとした声で笑う悟。
「……冗談だったけどちょっとびっくりしてたね?オマエ。でもね、今はココに居なくても未来の息子の予約席なのは確実。五条勝君がここですくすく成長しまーす!」
『人の腹にサッカー選手育成すんな~??
重いから退いて、悟。そろそろ部屋戻って夕飯作るよ』
目の前の至近距離の悟は私から退いた後に手を差し出す。その手を重ねると立ち上がらせた。
そのまま並んで畳張りの部屋を後にして。
夕飯について「ハンバーグが良い、ハート型の!」とキッズの如く騒ぐ悟に『昨日の買い物行った時点で今日は八宝菜だって予告してるわ!』と返して。ていうかどうしてもっていうならひき肉とヘルパー買ってこいよ、と文句を言いつつ大きな子供の我儘に付き合いながら部屋へと帰る。
お風呂を洗ったり、夕食を準備したり……互いに分担しつつあっという間に夕食を終えて。お風呂も入って。
のんびりとベッドに座る私の太ももを枕に転がっている悟が手を伸ばして私の髪を指先で梳く。
「……で、ハルカ。週末…キャンプ行くの?」
『その話忘れてたわ』
「忘れんなよ??」
稽古の終わり、キャンプの話を中断してたんだった。ふわふわした彼の髪を撫でながら、ツッコんだばかりでやや変顔気味な悟の顔を見てちょっと考える。
キャンプ、かぁ…。悟とならどこに行こうとも楽しいんだろうけれどここは寮。良く行くようになるならまだしも、たった一回で終わる可能性もある。その一回の為にキャンプ用品を買ったとしても置く場所に困るんじゃないのかな…。
わしわしとキャンプに飽きそうな悟を撫でつつ買ってすら無い物の心配をしてしまう。しばらく部屋に保管のち後日実家に置きに行く羽目になるなあ……。
『キャンプ…行きたいとは思うけれど……、』
「思うけれど?」