第20章 星空の下で愛を語らう
175.
週も半ばに来た所、一日が終わった!…と放課後を迎えて悟と稽古もし終えた時だった。
「はーい、お疲れいっ!ちょっと休憩していこー」
『うん、稽古ありがと』
暑いからファスナーを開けて服にこもる熱を逃しつつ、その場に座ろうと両膝を曲げた時だった。
「ねえ、週末にさ。ふたりっきりでキャンプに行かない?」
『キャンプ?超藪から棒なんだけど?』
ふう、と一息着こうと悟を見ながら畳に座る。座る私の直ぐ側にやってきた悟もあぐらをかいて座った。悟のサングラスに夕日が写り込んでちょっと眩しいんですけれど。
にこにこと笑う悟はさっきまでの稽古なんて無かったみたいに、疲れ知らずに元気で。
「ねっ!キャンプ、行こっ!野生を感じながらマンモス狩って象牙の塔作ろうぜ~っ!荒ぶるモンスターの部分破壊したりして飛竜から装備も作っちゃおうぜっ!
そして拐われた息子を探しつつ、邪魔する原住民はエフィジーの刑にしちゃおうぜ~!」
『太陽のしっぽとモンハンとTHE FORESTかぁ~?キャンプじゃなくて狩猟だろ…コントローラー握るかキーボード叩いてな』
畳の上、座る悟の横へと両脚を伸ばしてちょっと休憩中。部屋に戻ったらご飯の支度しないと。
今日は八宝菜だなー…と考えていると、ふとさっきの悟の言葉に引っかかるものを感じて悟をじっと見る。ちょっとスネてるのかな?と思ったけれどなんとも無さそうだ。
『ていうか拐われた息子って。居ないでしょー、何悟隠し子でも居た?寝言だったら寝ながら言ってよ、日中の活動中に言うのは寝言って言わないよ?』
「あっやっとツッコんでくれた!」
『ツッコミ待ちかい……』
嬉しそうな悟は伸ばした私の脚に跨り(ちょっと重いんですけれど…)片手が私の腹部に触れる。
ずい、と私の耳元にねっとりとささやきながら。
「息子、居るでしょ?オマエの腹ん中にさ…、」
さわ、さわ…と悟が愛おしそうに私のお腹を撫でていて硬直した。
『……え、』