第15章 4.形影相親
折原臨也とるる子が知り合ったのはほんの数日前。
るる子がこの世界の資金調達の為に開店したロリータやゴスロリな服が入店に必須という喫茶店で、お茶会(という名の集会)をしていた時に現れた。
「初めまして。「庭師」とか「乙女達」と言われる緑のカラーギャングの総長さん?」
初めから胡散臭い、底の見えない男だと思いるる子はそういった類の人間が嫌いなので直ぐに追い返そうとした。しかし、
「今日はほんの挨拶。こういうの興味あるんじゃないかなって思って」
ポケットからメモを出してるる子に手渡すと「じゃ♪」と去っていった。
そのメモにはどこかのサイトであろうURLとパスワード、IDに「紅茶」というハンドルネームが書かれていた。
それはダラーズへの招待であり、この街の事を知りたいるる子にとっては好都合な話。
ダラーズ招待の件は有難く使わせて貰ったが、臨也とはそれきりだった。
なので親しげに話しかけられたことに少し「なんだコイツ」という態度が出る。
「そんなに嫌そうな顔しないでよ。ダラーズで君が聞きたい「首なしライダー」に関することを教えてあげようと思ってね」
臨也が情報屋というのは知っていたが、そんな不確かなものに頼った経験がるる子には無いので半信半疑で話を聞くことにした。
「この公園の絵描きのじいさんが「首が無い、首が無い」って言ってたのを見かけてさぁ。もしかしたら見かけた…とか?」
るる子の持つ携帯のマップにある公園を指し示すと「…感謝致します」と一応財布に手を伸ばす。
「いやいいよ、あくまで噂だから。それより今度さっき居た青い彼の事も紹介してよ、友達になりたいんだ」
臨也はいつから、どこから見ていたのかジェイスの事だろう。
実際にジェイスと友人になりたいのではなく「お前の事も見えているぞ」という脅しにしかるる子は聞こえなかった。
「それでは早速向かうとします。ご機嫌よう折原さん」
首無しライダーを見たという人物に話を聞くために早速指定された公園へと足を向ける、るる子とついて行く少女達。
それから暫く後に、るる子の探し人であるセルティも同じような話を聞いて同じ公園へと向かうことになる。