第13章 3.暴れ回る
るいが手を引くもスバルは頭を横に振る。
「守らなきゃ…」
そう言うとスバルは建物の影に隠れ、るいも困ったようにそれについて行く。
「守るって、スバルと一緒にいた人?確かにいろんな人から狙われてるみたいだし…」
るいがそう言うとスバルは「違うの」とまた頭を横に振る。
「静雄さんを守るんじゃなくて、みんなを静雄さんから守らなくちゃいけない」
スバルは変身ブレスレットをカバンから出して装着し、スバルの言ったことに混乱しているるいに話す。
「めるり、貴方この街に来てから変身した?」
スバルはこの街での魔法少女のルールは少し変わっており、クールタイムが存在するという事を話した。
そして静雄とは関係なく、るる子のチームが介入した以上放置する訳にはいけないと話す。
「………わかった。変身を試してみるよ。それにこれ以上時間を経たせてるる子さんが来たらもっとややこしくなるのは嫌だからね」
るいは自分の変身ネックレスを手で包むと変身の言葉を口にした。
静雄はサイモンとやりあい、チンピラは庭師の乙女達と揉めあっている。
一般人は遠巻きからカメラをそちらに向けたり警察に連絡したりしていた。
その時、それは起こる。
「スピリチュアル・ウェポン!」
突如揉めあっていたチンピラと庭師達の間に無数の鉄の柱が地面から伸び、その2勢力の争っている範囲で人を避けるように柱は隙間なく生えた。
ギッチリと生えた柱は身動きが取れない程の密度で生えており、一瞬にしてチンピラと庭師の動きを止めた。
「ふぅ!久しぶりだったからちょっと張り切っちゃっためる〜!」
そこには魔法少女に変身することが出来たるい、もといめるりが立っていたが以前のミニマムな可愛い姿とは違い何故かボンッキュッボンッな魔法少女のコスプレをしたアダルトな女になっていた。
めるりと柱に人々が驚いていると、静雄とサイモンの間に降り立つ影がまた1つ。
「もうやめなさーい!」
変身したスバルが間に入ったのだ。
「!」
急な事だったので静雄はサイモンにパンチを繰り出していた最中で、何とか止めようとブレーキをかけようとした。
「止まれ……!」