第13章 3.暴れ回る
静雄の拳は悲しくもスバルの顔に命中してしまい、小さな体は魔法少女であるので耐久力があるものの軽々と飛んでしまう。
「スバル!!」
チンピラと庭師たちの動きを止めて様子を見てたが、拳の当たる瞬間に間に合う事の出来なかったるいが飛んでいく。
「スバル…?」
自分が殴ってしまぅったとはいえ殴り合っている間に入ってこられたのだから仕方ないと思い罪悪感の薄かった静雄だが、よく知る名前が聞こえて頭も冷える。
場が硬直すると、誰からともなく聞こえる単語があった。
「魔法少女だ…」「魔法少女は本当に居たんだ…」
スバルの元へ行き集中が切れてしまったるいの魔法の効果が切れて拘束していた柱が消えていた。
魔法少女2人を写真に収めようとするが静雄が睨め付けたことでチンピラは逃げ出し、庭師たちは争いが収まったとのことで散っていく。
静雄との争いで怪我を負っていたサイモンも「仕事あるから帰らないといけないね」と言って帰って行った。
静雄はるいの言っている事がどういう事なのか確かめるためにスバルと、その傍にいるるいの事を見ていた。
「う…どうなったの?」
気が付いたスバルはそれと同時に変身が解けてしまい、元の女子高生に戻った。
幸い変身していたからか、大きな怪我はなさそうだった。
それを目の当たりにした静雄はどうなってんだ、と言わんばかりに頭をかく。
夜、池袋の空に静雄の吐いたタバコの煙が消えていく。
「じゃあ最初にスバルが言ってた魔法少女の話は本当だったって事で、お前は知ってたんだな」
スバルの都市伝説の先輩、セルティと話しをしていた。
『すまない。信じていなかったのは知っているが、ちゃんと話すべきだったな』
セルティが謝罪すると静雄は「いや怒ってるとかじゃねえから」とタバコをふかす。
静雄はお前で大丈夫なのかと騒ぐるいを押し切り、スバルを家へ連れて帰るとスバルは疲労からなのか眠ったのをみるとまた仕事に出ていた。
「あと臨也が池袋に来ててよ、息の根を止めてやろうかと思ったらサイモンに邪魔されてさっき話した通りだ。しかしあいつ何しにきやがったんだろ…」
そのころ臨也は竜ヶ峰帝人のプロフィールをみながら、これから起きるだろう出来事を思い心躍らせてスキップしていた。