第13章 3.暴れ回る
「珍しいっすね、臨也さんが池袋にいるなんて」
臨也(とるい)の住まいは新宿というのがわかっているのか正臣は尋ねると、帝人の事を見る。
「ああ、こいつは俺のただの友達です」
帝人に興味を持たれまいとなのか、臨也にインプットされたくないのか関係無いというのをアピールしていた。
「フーン、俺は折原臨也。宜しく。そこのるい「ちゃん」の…まあ「お兄ちゃん」っていうところかな」
臨也から言われた「お兄ちゃん」というワードにるいが鳥肌を立てていると帝人は律儀に「竜ヶ峰帝人です」とお辞儀をして答えていた。
「おぉ エアコンみたいな名前だねえ」
るいの頭の中で例のCMの店舗で竜ヶ峰~と再生されていると臨也は帝人を見ていた。
目の前にいた臨也は何か大きな物にぶち当たり視界から消えた。
「…は?」
何が起きたのかはわからず、どこからか飛んできたものに当たった臨也はその場で倒れたままだった。
「コンビニのごみ箱…」
呆然としていると正臣はこれがどういう状況なのかわかっているのか、「やべ~」と苦笑いしながらごみ箱が飛んできた方向を見たのでつられてるいも見た。
「い~ざ~や~く~ん…」
そこにはサングラスをしたバーテン服に金髪、静雄がやってきたのだ。
「静雄さん!」
るいのとって、臨也が謎の男に殺されかけてるかもしれない事やこの状況はもうどうでも良くなった。
目の前に探していたスバルが、静雄の後ろからやってきたのだ。
「スバル!!」
静雄は臨也に「池袋には二度と来るなって言わなかったか…?」とサングラスを外してガチでやるモードに入っていた。
突然名前を呼ばれたスバルはるいの方向を見るが、スバルはめるりとは魔法少女で会っているもののるい自身を見たことが無かったので「え?」という顔をした。
静雄と臨也はなにやらしずちゃんがどうのという話をしている隣で、るいがスバルに駆け寄り逃さないようにと手を握る。
「スバル!めるりだよ!ずっと探していたんだ!」
目にうれし涙を浮かべてそういうるいに、スバルも思わず涙が出る。
「めるり…!私も探したんだよ!」
感動的な再会もつかの間、さっきの臨也にやられたギャルの彼氏がお仲間をたくさん引き連れてやってきたのだ。
「いた!あいつだ!」
一瞬で2人だけの世界が奪われると、2人は帝人と正臣と杏里の所へ駆け寄る。
