第13章 3.暴れ回る
「紀田くーん」
前方から門田、狩沢、遊馬崎が歩いてきた。
るいは始めて会ったので突然の知らない大人の登場に2人の後ろに身を引く。
「えーっと、名前が漫画みたいな…帝人くんっすねー!」
帝人もどう接していいのかわからない様子で、どうもという感じだった。
知り合いな2人を盾にやり過ごそうとしたがどうやらそうもいかない。
「そっちの超美少女は誰なの!?紹介してもらっていい!?」
狩沢の発言により門田も遊馬崎も気になってた、と言わんばかりにるいに視線を向ける。
「俺の同じクラスの奴ですよ。残念ながら俺の彼女じゃないんですけど!」
「何言ってんのよー!」と楽しそうに話す正臣と3人、ついていけないなと見ているとるいの自己紹介を待っている様子だった。
「…同級生の折原るいです」
名前を言ってペコッと頭を下げ、もう1度3人を見ると名前を言う前とかなり雰囲気が違う。ピリッとしたような怖い雰囲気を纏っている。
るいは圧に血の気が引くのを実感するが、正臣がその間を体で割って入る。
「大丈夫っすよ、コイツちょっと訳ありなだけで」
その正臣の言葉でこの3人は正臣同様に「折原」という苗字で反応したのだとわかるが、正臣が陽気に場を宥めると場が和らいだ。
「まぁそもそも君がこうして歩いてる時点で危険要素は薄いって事っすね!」
正臣といい、この3人といい折原臨也という人は一体どれほど憎まれているのかというのがわかる。
今から思うと保護者的な観点はあったのだろうがそれは後付けの理由にすぎず、「折原」を名乗らせる事で場を荒らしているとしか思えなくなってきた。
るいがため息をついてると3人の自己紹介をしてくれた。
「これからとらのあな行くんだけど一緒に行くー?」と誘ってきている。
「今日は…スージー安田先生のサイン会っよー!」
そういうと遊馬崎はバッとラノベを出すと門田は「そういう話を大声でするな!」とラノベをしまわせてオタク話をやめさせようとしている。
「ダラーズ?」
そう言うと遊馬崎は眉間に皺を寄せて首を傾ける。
「サンシャイン60の地下に封印されたフレイムヘイズと日夜戦いを繰り広げているんすよね~!?」
興奮気味に遊馬崎が言うも狩沢が違う違うと間に入る。
「パンツを見せながら空を飛ぶ、ピピルピルピル天使だよ~!」
と見当違いの事を言う。
