第13章 3.暴れ回る
池袋西口公園。
「今こそ俺?今から俺?今モテ期到来!?みたいな!?」
噴水で座っていた女性2人に声をかけたのだが、当たり前に女性たちは離れていく。
そんな正臣を帝人とるいは少し離れて見ていた。
「そりゃ高校生に誘われても」
最悪他人のフリができる距離で「本当に」と話していた。
こうなったのも先ほどのラブデンジャラススクールライフを求めにだが、正臣は「ナンパに行こう」と言い始めこの様だ。
「…帝人くん?」
帝人はモニュメントのフクロウの像を見上げてそのままそれを見つめており、るいが話しかけても心ここに非ずな様子。
仕方なく正臣に視線を戻すと、ターゲットを変えたようでグループの女子高生に声をかけている。
「あたし彼氏いるから~」
適当な理由で断られているのに「ナンパされてお茶しても浮気の内に入らない」とナンパを続行する正臣には感服する。
「あ、知ってる?ユミの新しい彼氏、ダラーズなんだって」
(!)
ダラーズ。それはこの世界に来て以降、ネットや街の人たちの会話や折原臨也の会話。
るいは時々耳にする単語だった。
「ダラーズって暴走族的なのだっけ~」「いや違うんだって」
どうやら何とか女子たちの会話に入りお茶を誘おうとしている正臣を永遠に無視をしている女子たちの話に耳を傾けていると、ダラーズというのはカラーギャングだという。
持ち前の象徴する色があるのがカラーギャングなのに、ダラーズには色が無いのだという。
ネットで人数を増やす変わった組織らしい。
「最近起きた切り裂き魔の事件もダラーズの仕業だって噂だよね」
「え~そうなの」と話している女子の会話になんとか入ろうとしている正臣から一旦視線を外し、帝人の方をみると眉間にしわを寄せて何やら考えている様子だった。
(この女の子たちの言うのがダラーズとかいうのだっていうなら、近づかないが吉って感じなのかな…)
そういえば先日、臨也に誘われて入っているチャットでもダラーズの話を聞いている田中太郎が居たのを思い出す。
ヤクザだチャイニーズマフィアだとか、なにやら途方もない話をしていたような。
「あーあ全く、お前が暗い顔してるから逃げられちまったじゃねえか」
正臣は何やら考え事をしている帝人に、ナンパが失敗した責任を押し付ける。
次なるターゲットに向かおうとしていた時だった。
