第10章 準備
1度、危ないのでダメだと言われたが頼れるのはここしかないと思ったスバルはかなりしつこく頼んだ。
暫くしてスバルの思いが通じたのか条件つきでokということになった。
その条件とは、絶対に身バレしないようにという事。スバルは魔法少女であることを除けば一般的な高校生。
なので「その手」に巻き込まれないように自分の身は自分で守れる、つまりは魔法をきちんと使えることだ。
前回はセルティの前で変身をして、静雄や新羅の前でしようとしてできなかった以来なのでかなり久しぶりなのである。
『今ここで変身することは可能か?』
新羅は完全にこの事をスバルが家出じゃないという事の苦し紛れの苦しすぎた嘘だと思っているので「また僕を騙そうとして~」という態度。
「……多分大丈夫です」
スバルは今度こそ変身することが出来ると思っていた。
もしかしたら魔力の回復が遅いだけで、ゲームで言うところのクールタイムが必要なのだとスバルは考えた。
一応新羅とセルティには離れてもらって、カーテンを閉めて外に漏れないようにする。
「魔法少女スターズがスバル!マジカルチェーンジ!」
眩い光がスバルを包み込むと、スバルの体が縮みドンドン形が変わっていくのがわかる。
光が収まり、リビングの真ん中に立っていたのはゆるふわコスチュームでツインテールの魔法少女姿のスバル。
嘘だと思っていた新羅は「おおおおおお!」と驚きの声を上げた。
(やっぱり魔力を溜めるのに時間がかかってるのかも…)
「いやぁセルティの事があるし説明のつかない現象を疑う訳じゃないけど「魔法少女」だもんねぇ〜。是非何がどうなっているのか君の中が気になるところだよ」
解剖大好き変態闇医者は魔法を扱う器官があるのか等が気になって仕方がないという様子だが、「多分普通ですよ」と交わす。
条件通り、変身できることを証明したスバルは見事運び屋さんのアルバイトを担う事になった。
担うと言ってもスバルには乗り物も無い上に空を飛ぶことも出来ないので、徒歩や交通機関を使ってでの移動で相手と直接会うことが少ない仕事を貰う事にした。
『仕事が多いのは有難いのだが、予定が被ったりと困る事があったので助かる』
との事なので、新羅はセルティの休みも増えると喜んでいたりとこれから先は忙しくなりそうだと思うスバルだった。