第8章 新たな日常
あれから誰とも連絡を取ることもできず(そもそもるる子にはかけたことない)、あちらの世界では夢魔が出なくなった為スバルとめるり、るる子は戦死のような状態で処理をして捜索を打ち切ろうという話も出ているらしい。
打ち切られてしまったら私達は一体どうすればいいか分からないので必死に抗議をしているが、めるりとるる子と連絡が取れずスバルも会えていないことから死んだという扱いにほぼなっているらしい。
(どこにいるの…)
翌日、スバルと静雄は朝昼兼用にカフェに訪れていた。
「……あれか、わかったぞ」
すると考え込んでいるスバルを見て静雄は突然話す。
「へ?」
突然わかったと言うので何をわかったのかがわからずコーヒーを片手に見つめる。
「お前最近何かぼーっとしてて、たまにため息ついてっけどよ。あれか、恋ってやつか」
スバルは何も言っていないのにウンウン、と1人で勝手に納得している姿は可愛いとさえ思える。
本当に池袋という街を知れば知るほど静雄や、新羅とセルティと出会わなかったらどうなっていたか分からないと思う。
食事を終えてカフェを出ると突然鉄パイプやバットで武装した男の集団が待ち構えていた。
「平和島静雄!あん時の恨みだ!」
本当に池袋という街を知れば知るほど静雄や、新羅とセルティと出会わなかったらどうなっていたか分からないと思う。
これさえなければの話。
「なんだテメェら」
静雄が堂々としている内に、変身していないスバルは無力な女の子に過ぎないのでそそくさと隠れる。
「今日は天気も良いし、俺は今仕事前に飯食っててすげぇ気分良かったのによぉ。お前らのせいで台無しなんだよ」
段々と静雄の声のトーンが落ちていくのが分かる。
こうなった静雄はスバルには止められない。
(来る……)
被害を受けないようにと身構えて、ぎゅっと目を閉じると男達の悲鳴というか地獄絵図なんだろうなという声が聞こえる。
(ほんとこれさえ無かったなぁ……)