第7章 騎士辺るる子という人
「噂をすれば!」
本当に文字通り噂をしたらだったので狩沢は思わず本人を目の前に声に出てしまう。
普通に失礼な行為なので遊馬崎は狩沢の口を塞いで軽く謝ると、狩沢も謝る。
「いいえ、良いのです。私の友人達の行いとこの街の人が噂している事は承知しています。なので仕方の無い事です」
女性は上品に笑うとオタク心がくすぐられる2人。
「「可愛い〜!」ッス!」
前のめりになる2人に驚いてる様子だったが、またすぐに花が咲いたように微笑む。
「申し遅れました。私「騎士辺るる子」と申します」
スカートの端をつまんでお辞儀をする るる子につられて2人も自己紹介をしてぺこりとお辞儀をした。
「話が戻るのですが、私はとある女の子を探しています。こちらの女の子なのですが」
るる子は黒髪の女子高生の写真を見せた。その写真の子はスバル。
しかし2人はスバルの事を知らないので素直に「知らない」と答えるとるる子は肩を落とす。
「もし彼女を見つけたらご一報頂けると幸いですので、アドレスを交換しても?」
変な感じはしなかったので快くメールアドレスを交換した。
「ところでるる子さんみたいな緑のロリータファッションの人達はカラーギャングなの?」
ストレートに聞いてしまう狩沢だったが、皆気になるのはそこなので遊馬崎は少し慌てたがすぐに黙った。
するとるる子は斜め上を見て考える素振りを見せる。
「さぁどうでしょう。彼女達は私のファッションの真似をしているだけで他は好きにさせてますので」
笑顔で答えると「それでは」とるる子はその場を離れる。
「なんか、本当にアニメから出てきたみたいなローゼンでメイデンな人でしたね」
後ろ姿をぼーっと見てた2人はある事に気がつく。
写真を撮りたかったのに、あまりの彼女の完璧さにお願いをするのを忘れていたのだ。
嘆いていると長いトイレを済ませてきた門田が戻ってきてはその様子を見て「どうした?」と聞く。