第7章 騎士辺るる子という人
「最近居なくなったはずの黄色いのまだいるよね〜」
門田はスバルを送り届けた後、友人3と合流した。
友人の1人である狩沢という女性がふと言う。
黄色いのというのは少し前に解散した黄巾族という中学生が作ったカラーギャングだ。
少し前にブルースクウェアというカラーギャングも揉めて解散したはずだったが、まだ黄色い布を付けている人は見かけていた。
「ああ、だが一般人に見せかけてたまに見かける連中がいるの気づいてるか?」
しかし門田はそれよりも気になっていたことがある。
黄巾族でも、ブルースクウェアでも、黄色でも青色でもない色。
「あ〜、知ってるッス。ローゼンでメイデンを思わせるメルヘン〜な人達ッスよね。緑色の」
と、友人の1人である遊馬崎が箸を持ちながら話す。
本当にここ数日で突如街に現れたのは緑をメインとしたロリータファッションに身を包んだ女の子達。
カフェで見かけたり、服屋で見かけたりと女性が好む場所に多く居るという事を聞く。
一見ただのロリータを好む女の子達だが、門田達が今所属しているダラーズの掲示板では喧嘩をしている連中を見ると突然その緑のロリータ達が現れてボコボコにして去っていくのを見たと言う人達がいた。
それは痴話喧嘩の仲裁や、不良達の殴り合いの仲裁など様々。
どこからそんな力が出てくるのかという程に、全員がその調子のメンバーなようだった。
「別に普通に居る分には襲ってこないらしいし、ほっといていいんじゃないかな?何より可愛い!」
彼女らは進んで暴力的なことはせず、既に起こっている争いに向かっていくので争いが嫌いなのではと言われているが真相は定かでは無かった。
そしてロリータファッションに身を包んでいる女の子達の人気は主にオタク達に出ているようで、ファンクラブが密かにあるかどうかという話。
「カラーギャングだって言うやつが多いけどそれすらもわかんねぇよな」
食事を終えて、店を出る為に友人の渡草はそう言いながら車にエンジンかけに車に乗った。
「もし?」
店を出る前にトイレに行った門田を店の前で待っていた狩沢と遊馬崎に声をかける人がいた。
「少し人を探しているのですが、今お時間よろしいでしょうか?」
噂をしていた、緑のロリータな女性が携帯を持って立っていた。