第6章 居候です
自分の本拠地である新宿に帰ってきた臨也はスキップ気味に帰る所。
「やっぱりあれはるいくんと同じものだって考えるのが妥当かな〜」
スバルの手を見てるいと似たようなデザインのブレスレットを持っているのを確認した。
やはりあの日ビルの屋上で見たものは間違っていなかったし、るいも同じ物で間違っていないだろうと。
従って、るいもスバルと同じような不思議な力を持っている。
そして恐らくはるいが隙を見ては探しに行く、目的の人こそスバルだろうと予想した。
「ちょっと人間らしくない人は俺の駒になっといてもらわないとね〜…」
門田に家のすぐ近くまで送って貰うと礼を言って別れた。
「門田さんか…今までここで知り合った人、静雄さんも正直「普通の人」って言われると微妙だから初めて「普通の人」と会ったのかも」
折原臨也はともかく、とても良い出会いをしたと思いながら家に入ると早速購入した靴を玄関に置く。
そして購入した服の値札を切ると、スバルは新しい服は1度洗濯する派なので洗濯機に入れて他のものと一緒に回す。
(1着しか無いから制服とおさらばって訳にはいかないと思うけど、夜歩く分にはかなり有難いなぁ)
やはり自分が着るには少しギャルでセクシーな気もするが、我慢だ。
「そうだ、今日はまだ牛に電話をしてなかった。牛もめるりも……るる子さんは分からないけど一日に1度は電話しないと………」
電話をかけようとした時、スバルはあることに気づく。
ここ数日電話をしても出るの牛だけなのである。
めるりに電話をかけも出ず、タイミングが悪いのかと思っていたがスバルと仲良くしてくれているめるりにしてはおかしい。
「………あの、もしもし?」
ブレスレットに力を込めると直ぐに電話が繋がった。
『スバル!もっと早くかけるのだ!心配したのだ〜!』
確かに夜もそこそこな時間。1日に1度と約束しているので怒られても仕方がない。
『今日もこっちは進展がないのだ…。スバルも特に何も無い?』
しょんぼりしている牛に何か嬉しい報告がしたい所だが帰る為の情報、進歩は何も無いので素直に「うん」と答えた。
「……ねぇ、最近めるりは?電話しても出ないんだけど」
そう質問すると牛は『あっえっと、いや』と明らかに慌て出す。
何かあったのだ。