第6章 居候です
「飯食う前にスバルちゃんに服買いに行こうぜ、ド○キならやってんだろ」
彼シャツ案件はともかく、やはり制服だけというのも可哀想なので飯の前に行こうとのこと。
そしてこの場では言わないが池袋で静雄を知らない人が少ないように、最近出てきた「静雄と一緒にいる女子高生」ということでちょっとした話題になっているのだ。
静雄といる女子高生ということでナンパ目的関連で声をかける人間は居ない為、ここまで1人でも歩いて来られていたりする。
それと同時に静雄に恨みを持つ人やちょっかいをかけてやろうと計画する、嘘か誠かもわからない件もあるので一先ず制服属性だけでもとっぱらっておこうということもあった。
「すみません…」
スバルも家の中や、まだ腕を吊っている状態で制服のシャツに着替えたりなどは少し面倒だったので有難かった。
静雄も「まぁ確かに」という様子で服を買いに行くことが決定した。
目的地がとりあえず変更になったということで静雄とトム、スバルの3人で池袋の街を歩く。
その様子を人々は「あ、あれ噂の」という眼差しで見ていた。
静雄が池袋でどういう存在なのかまだぼんやりとしか知らなかったスバルは、明らかに柄がいいとは言えない2人と女子高生が一緒に歩いてるんだからそりゃ見るよな…と少し恥ずかしい。
流石、ド○キと言うべきだろうか。
(どれもこれも、見事に趣味がギャル思考…!短い…!なんでこの部分こんなに空いてるの…!?)
客層に合わせたセンスなのは結構な事だがどちらかと言うとトレンドに合わせたシンプルな服を着ていたスバルは焦る。
しかしこの機会を逃せば土地勘が無く、1人で出歩かない自分は制服生活を脱出することが出来ないのである。
静雄の方はトムに押すとうるさい音が出るチキンを持たされていた。買うつもりなのだろうか。
暫く悩んだ末にかなり自分の趣向から外れた物ではあるが「比較的マシであろう」という服をセンス良く選ぶ。
(それでも短い……)
自分が一気にギャル系の外見になるのを想像した。
後は下着など数点をカゴに入れた。やはりド○キは安くて助かるなぁと感謝しつつ。
会計に持っていき、自分の財布を開けると何やら雑貨を見ていた2人がすっと横に来て財布を開けた。
「えっ、ちょっと私の買い物ですから!」