第2章 違う日本
小さな火の玉のような魔法を手に出し、ボールを手で弾くようにポーンポーンと手で遊ぶ。
(これからどうしようかな…。とりあえず、未成年だから入れるかわからないけどネットカフェとか行って夜を明かそう。でもその生活もいつまで続くか分からない…)
一先ずご飯を食べようと柵から降りると同時に変身を解く。
いつもの様に。
「持ってる服が制服とコスプレって、ほんとに終わってると思うよねー」
ハリのない声でそう独り言を言うともう一度振り返り夜景を見て、ビルを後にする。
誰も居ないと思っていたビルの物陰に隠れていた人物に見送られながら。
「もう人間離れした登場人物は要らないんだけどなー…」
今日も自殺を考えている子を誘い出そうとビルの屋上で待っていた。
「さて今日来る子はどんな反応を見せてくれるかな。何か変わった反応が見られると楽しいんだけどなぁ」
彼は折原臨也。人を愛する趣味から自殺をしに来る人を少し刺激して、その人はどうするのかという事を見る為にビルの屋上で待機していた。
するとビルの屋上に繋がる扉が「ガチャリ、ギギギィ」と油の効いてない音を立てながら開かれる。
しかし出てきたのは来ると思われていた男性ではなく女子高生だった。
手違いが怒ったのかと思ったが女子高生はそのまま真っ直ぐ柵に向かい夜景を見ていたので、目的の人物ではなくただの自殺をしにきた子だと思った。
「…?何をしているんだ?」
女子高生はビルの真ん中に立ったかと思うと何かを叫んでいるように見えた。
すると光が女子高生を包み、折原臨也の目が光で眩んだのから回復した頃にはそこにはコスプレをした女の子が立っていた。
「おいおいおい、とんだ拾い物だよ」
少女は柵に座り手から出した飛んでも物質を手で弄びながら何かを考えている様子だった。
暫くすると柵から降りて、体にまいた布が取れるかのようにキラキラとコスプレは解けて元の女子高生に戻った。
女子高生はこのまま扉からビルを降りていった様子だった。
人をこよなく愛する折原臨也にとっては平和島静雄や人ならざるものの知り合い、とある妖刀にとって並ぶ面白くない予測不可能の登場人物が増えたと思った。
「面倒な人が増えるのは嬉しくないんだけどなー…」