第12章 農業生活十二日目
朝食後、私はリヒトと楓の木へと来ていた。全ての量を集めれば、かなりのメープルシロップが採れた。今回は、野生児なことはしない。そう思ったのに、今回はリヒトの指にシロップが・・・。
そして、目の前に差しだされる。え?リヒトの指、舐めろって?む、無理だよ・・・。でも、リヒトに顎を掴まれ口を割られ・・・もう、拒めなかった。
何で、色気たっぷりにこんなことをやるんだろう?それに、何でこんなに満足そうなんだろう?指を舐める私を、リヒトは見ている。残りは、リヒトが舐めていた。
「うん、美味しいね。病みつき。色んな意味で。」
私は、朝から精神的に削られたよ。ぜ、全然嫌じゃなかったけど。
その後は、畑へと・・・。
今日は大根を採取して、大根サラダや煮物、干し大根、漬物へと変貌させていく。大根サラダや煮物はリヒトにお願いした。お店でも出すらしい。
作業場で壺へと漬け込み、乾燥させて干し大根へと作っていく。
「莉亜、そろそろ行くから。」
「うん。行ってらっしゃい。夕方くらいにはいくから、私の分残しておいてね?」
「分かった。で、僕に充電させて。」
って、羽交い絞めだよ。ハグなんて可愛いものじゃなかった。それに、キスだってお昼からする濃さじゃない。
「ん、これで頑張れる。じゃあ、また後でね。」
最後に、ホッペにキスしては出掛けて行ったリヒト。ヤバい・・・骨抜きにされるところだった。
さてと、そろそろランチの時間。今日はチャーハン。あのチャーシューを使ってのチャーハンは美味。葉物のサラダと卵スープでお腹がいっぱい。
お昼から、ちょっとやってみたかった投網。川へと行って、川海老を捕獲したい。この世界の私なら、何とかなりそうな気がするからチャレンジだ。
結果・・・圧勝でした。家に戻って盥に海老を放流。地下水を汲み上げている水道の水をチョロチョロと流しながら、後は放置。その内の一部を袋に入れてリヒトのお店へと向かった。
ここへ来て、初めての海老。リヒトは喜んでくれるかなぁ?それに双子は・・・。お店は、普段と変わらない様子だった。裏口でドアをノックし、リヒトの名を呼ぶ。
ドアが開き、招き入れてくれたのはリヒト。私の手にしている、籠を見ている。投網のことなんて言ってなかったから、びっくりさせたかもしれない。