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牧場物語生活へトリップ!?

第76章 明白な拒絶


この時は、頷いた。でも、だからと言って、全てがいい方向に進む訳ではなかった。ただ、幸いだったのは理玖が傍にいたこと。

つまり、大学構内では理玖のファンから視線が集まる訳で・・・。そして、今の私たちの目前には制服姿の加耶をはじめ男子生徒たちが現れた。

「ちょっと、顔貸してくれる?」

よく聞く台詞だ。

「断わる。」

理玖の拒絶。

「あぁ、そう。じゃあ、その女だけでいいわ。みんな、男の方を抑えてて?もし、暴れたら少しくらいなら痛い思いをさせてもいいわ。」

加耶の挑戦的な言葉に反して、理玖はギャラリーに声を掛けた。とびきりの笑顔を添えて。

「警備員、呼んで来てくれる?なるべく、急いで。」

ファンは我先にと、走って行ってしまった。そして、何かに気付いた理玖は盛大に両手を振っている。私もその方を向けば、見覚えのある人たちが見えた。

親の世代の女性の先生たちだ。何故か、理玖の大ファンである。ちょっと手招きをすれば、学生ファンと入れ替わりで先生たちが現れた。

「どうしたの?理玖くん。」
「何かご用?」
「あ、別に用が無くてもいつでも話し掛けてくれていいのよ?」

人誑しの理玖。私は見内だから、敵対視はされない。

「先生、不躾に呼びつけてすみません。この人たちが、俺たちを傷付けると言い出しまして、どうしようか困っていたんです。」

あ、三人の先生たちが鋭い目で高校生の加耶たちを見た。

「貴方達、その制服は近所の高校のものよね。詳しい話しを聞きたいから、ちょっと付き合って貰うわよ?」

この出来事が、数分で為された。

逃げ出そうとした時には既に遅く、背後には警備員が退路を阻止。流石、理玖のファンはいい動きをしてくれた様だ。

そんな中、理玖がスマホを操作して、加耶が吐いた言葉が流れ出した。

「これ、証拠になりますか?」
「勿論よ。」

般若顔の先生たちと、警備員に連れられて何処かに行ってしまった。私は理玖の手際に驚愕していた。

「理玖・・・改めて、理玖が身内で良かったって思った。」
「ああいうのは、中々諦めが悪いと相場が決まっているからな。蒼からも、莉緖のこと頼まれていたし。」

ケロッとした顔で、家路へと向かう理玖。

「ねぇ、あの子たちどうなると思う?」
「未遂だから、停学くらいにしかならないだろうな。でも・・・加耶は、それだけでは終わらない。」

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