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牧場物語生活へトリップ!?

第74章 春十六日


「それより、この大きいキャベツ・・・どうしたの?」
「高級肥料の結果がこれなの。」
「あぁ、そうなんだ。随分、成長したんだなぁ。で、僕も食べてみたい。」

結果的に、二人で丸々一個食べ切ってしまっていた。

「ごめん、莉緖。美味しくて調子に乗った。何、このキャベツの甘さ。それに何か・・・元気になった気がする。」
「うん、私もそう思った。」
「ところで・・・この量のキャベツ、出荷するの?」

そんな時、訪ねて来たのはミランだった。男性二人の同伴者もいる。初めて目にする人だ。

「こんにちは。紹介したくて来ました。」

いつも元気なミラン。そっくりな顔の同伴者の態度は異なる。人の好さそうな微笑みを浮かべる人と仏頂面の人。

「二人は私の従兄弟なの。兄のショウと弟のシュウ。見ての通り双子なの。」

簡単な挨拶を交わす。

「前から話しは出てたんだけど、あのピンク男がいなくなったでしょう?だから、二人にお願いしてみたの。二人でおじいさんの後継者にならないかって。」
「俺もシュウも興味あったし、姉がいるんだけど姉が家の後継者になることになったから丁度いいなって。」
「俺は、その・・・人と接するの得意じゃないから。それに、じいさんのことは気になってたし。」

町では家庭菜園とは呼べない以上の農作業をしていたそうだ。でも、ショウは長男だということで親の会社の後継者として生きて行かなくてはと悩んでいたらしい。

その弟の意思を汲んで立ち上がったのは、二人の姉だったそうだ。聡明で人当たりもよく後継者として両親も認めた才女。そうして、弟は自由を得られた。

おじいさんの畑がピンクおじさんの事件で、宙ぶらりんとなり代わりに二人に白羽の矢が立ち、二人で移住することになったらしい。

挨拶周りをしているらしく、三人は早々に目的地へと向かって行った。

「これからもどんどん住人が増えるみたいだよ。」
「そうなの?いい人だったらいいね。」
「そうだね。さ、出荷箱に運ぶの手伝うよ。」

大きいキャベツを出荷箱に収納し、その評価が思った以上のものになるとは、この時は想像もしていなかった。

この後聞いた話しだけど、ピンクおじさんは村の土地の購入を諦めたそうだった。住人に不信感を与えた結果らしい。誰もが相手をしなくなり、村にいられなくなったそうだ。

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