第71章 春十三日 R18
その頃には、敷地内とはいえ外だということは頭の中から消え去っていた。
妙なところで真面目な私は、アオイの為すがまま受け入れた。そう・・・腰が砕ける程に。
「よく出来ました。少し休もうか。」
アオイにお姫様抱っこをされて家の中に運ばれていく。ただ、この後、アオイの行動力で最大限に驚かされることとなる。
何とか砕けた腰が復活し、夕飯を済ませた後の入浴タイム。さっきまでイチャイチャしながら夕食を取り、一人となった浴室内。目を閉じシャワーを浴びながら汗を流していれば・・・何やら温かい感触に包まれた。
目を開けると、見慣れた腕が私の身体を包み込んでいた。そして、背中に感じる確かな体温。
「ア、アオイっ!!?」
「正解。」
耳元で囁く甘い声。
「僕に堕ちてくれたんだよね。だったら・・・待つ必要ないと思うんだ。」
アオイはセッカチだった。って、そんな言葉で片付ける内容ではない。
「ダメ、逃がしてあげない。ずっと、一緒にお風呂に入りたかったんだよね。それに、想像以上に莉緖の肌は綺麗だ。」
あれ?気付いた時には、私はベッドの上だった。入浴タイムはいつ終わったの?私、意識失くてたの?って、アオイが上から私を見ている。それに、私もアオイも裸のままだ。
「僕を食べて?」
私の方が食べられる立場みたいなんだけど?アオイの顔が近付き、アオイの瞳に私が映っているのが見える。
「僕を・・・受け入れて。」
悲痛なアオイの心の叫びの様に聞こえた。
「ぜ、全部食べちゃう。」
って、何故、今その言葉を選択したのっ!!?アオイの目が丸くなんて、小さく笑った。
「うん、僕の全部をあげる。だから、莉緖の全部をください。」
触れた唇はさっきより熱くて、絡み合う舌はもう何方のものか分からないほど溶け合っている様だった。長いキスは私の理性を奪っていく。
丁寧にあちこちとアオイの唇が触れていく。その度に、触れたところから溶けてしまいそうに思えた。それと共に、アオイからの所有印が咲いていく。
胸の頂にチュッとキスをし、そのまま咥えては優しく吸い上げられた。触れる全てが優しい。そして、何やら下半身がモゾモゾしてしまう。
「アオイ、何を?」
「何をって、ちゃんと濡らさないと余計に痛いから。その為の大事な大事な準備だよ。」