• テキストサイズ

牧場物語生活へトリップ!?

第71章 春十三日 R18


アサドが抹茶プリンを作ってくれるそうなので、私は密かに楽しみにしている。そして、抹茶プリンはミランの大好物らしい。

種蒔きを早々に終わらせては、メープルシロップを採集に出向く。それぞれの木には備え付けられたバケツ・・・もとい樽。

それを覗き込むと、ワイン樽の大きさもあるその中の半分くらいシロップが溜まっていた。ウチの楓の木は頑張り屋らしい。そして、学習能力の無かった私は自身の指を突っ込み味見する。

パアッと表情が明るくなった私を見たアオイにその指を掴まれて、アオイの口の中へと引き込まれる。

「ア、アオイっ!!」
「んっ、これは美味しい。」

ザラッとしたアオイの舌の感触が指先に感じる。分かっててやっているのだろう。

「そっちも・・・美味しそう。」

美味しそう?疑問に思った時には遅かった。しっかりと抱き締められた身体は逃げられる訳もなく、楓の木々の下でアオイからの熱烈なキスを受ける羽目に。息も絶え絶えになった頃、やっと放してくれた。

「アオイっ、ここは敷地内とは言え外なの。誰かに見られる可能性も・・・。」

視界に入って来たのは・・・まだ、物足りなさそうなアオイの表情だった。

「あ、あの・・・アオイ?」
「僕も・・・これでも、必死なんだ。」
「えっ?どういうこと?」
「言ったよね?僕も距離感が掴めていない。だから・・・莉緖を奪われない様に必死なんだ。僕だけを見ていて欲しいから。」

あぁ、こんな顔もするのか。そう思った。今のアオイの表情は、痛々しいものだった。何せ、今日はあの光景を目の当たりにした。まさかのプロポーズ。逆の立場でも、動揺するだろう。

「アオイ・・・ごめんね?私も色んな事が初めてで、分からないことだらけ。アオイの不安を私もどうにかしたい。」

どうすればいいだろう?

「ねぇ、アオイ。私も・・・言っていいのかな?」
「何を?」
「そ、その・・・好きとか。」

アオイが私を抱き締め、私の頭に顔を埋める。

「そんな恥ずかしそうな上目遣いで好きなんて言われたら・・・壊れそうな気がする。」
「えっ?わ、私何か間違ってた?」
「違う・・・莉緖が可愛過ぎて辛いって言ってるだけ。でも・・・歩み寄ろうとしてくれているのが分かったから嬉しい。」





/ 459ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp