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牧場物語生活へトリップ!?

第70章 春十二日


「残念・・・。」

そう呟いた声が聞こえたけれど、放置した。私には無理だ。


やがて、宿屋に到着。休憩中のゴッホとマホに声を掛け、果物ジュースを差し出した。

「相変わらず、見た目も美味しそうだねぇ。この人が特にこれに目が無くて。ありがとう、喜んで頂くよ。」
「ゼリーにしてもいいな。美味そうだ。」

ホクホク顔で、ジュースを手にしては冷蔵庫に収納。

「あの、今日はお話しがあって。」
「話しって、提携の事か?」
「そうですけど・・・。」

ゴッホとマホは笑顔で、こう言った。

「今朝、ノルドとミランが揃って、ウチに知らせに来たんだ。あのじいさんのことは聞いていたから、気になってたからな。」
「ウチの宿屋に負担にならない用にすると約束してくれたし、住人同士助け合わないとと思ってるから問題ないよ。」
「そう言って貰えて良かったです。」

笑顔だったマホが、声を潜めてドロスのことを話し出した。どうやら、近辺の村でも農場を買い取る話しをしているらしいと。

この村の住人では、あのおじいさん以外に売る人は今のところいない様だ。それでも、何度も足繁く通っているのだと教えてくれた。

「まぁ、莉緖にはアオイ先生がいるから心配していないけどねぇ。でも、油断はしない様にね。」
「お任せください。莉緖の事は、僕が守りますから。」
「どうやら、女癖も悪いみたいだし、くれぐれも気を付けるんだぞ。」

女癖が悪くても、私にも選ぶ権利はあると思う。あんな別の意味で目が痛くなる人はごめんだ。

話しが終わると、私たちはアサドたちの店へと出向いた。店先まで付くと、店内から何やら騒がしい声がする。そっと覗くと、ドロスがアサドとミランから店から出て行けと言われていた。

大袈裟に肩を窄め仕方ないまた来ると言っては、余計に二人を怒らせていた。そして、覗いていた私たちに気付くと嫌な笑みを浮かべたドロス。でも、私の視界を遮ったのアオイ。

更に、私たちに気付いたのはアサドたちも同じで、ミランなんかはドロスを突き飛ばしては私たちの前に姿を見せた。

「いらっしゃいませ!!」

今まで険しい顔をしていたなんて思えない程の、いい笑顔を振り撒いては私たちを迎い入れてくれた。

「さぁ、中に入って。」

半ば体当たりでドロスを店から追い出し、私たちを店内に引き入れたミラン。









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