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牧場物語生活へトリップ!?

第66章 春八日


一緒に向かった先は、家具屋だった。

「あ、このベッド可愛い~。」
「じゃあ、それにしよう。」
「えっ?」
「僕としては、セトと一緒に使ってたベッドは出来るなら処分したい。莉緖がどうしても嫌だというなら諦めるけど。」

そう言えば、気に入っていたとはいえ、セトと使っていたベッドだ。ここは思い切って、決断しよう。

「交換します。」
「いい判断だね。では、僕はお世話になる手間賃としてプレゼントするよ。」
「えっ、それは・・・。」
「いいから。僕はソファーでもいいから、適当なものを見繕って・・・。」

私は必至に引き留めた。お医者さんが期間限定だとはいえ、ソファーで寝るのは良くない。

「何言ってんだい。この大きいサイズ一つあれば、二人で寝ても十分だよ。さ、勘定が終わったら早速配達するから。」

肝っ玉母さんみたいな店員に支払い後、店から追い出された。呆然としている私たち。

でも、我慢できなくなったのかアオイが吹き出した。

「全然、人の話しを聞いてくれない店員だったね。」
「そうですね。」

私もつられて笑ってしまった。

「莉緖、期間限定だけど僕を宜しく。」
「こちらこそ。」
「で、提案があるんだけど聞いてくれる?」

アオイの提案は、傷をなめ合うのではなく、二人で元気になろうという前向きなものだった。

「それと、言っておくけど。僕は莉緖を気に入ってる。まだ芽吹いたばかりの気持ちだけど、僕は育てたいと思ってる。それだけ知ってて欲しい。」
「は、はい・・・。」
「ベッドの事は、ごめんね?大丈夫、僕は自制出来る人間だから。」

何と言っていいか分からないけれど、頷いておいた。


まさか、二日前と今日で違う人と同じベッドを使うことになるとは思ってもいなかった。

「少し散策してから戻ろうか。まだ、見ていないところもあるからいいかな?」
「はい、勿論。」

村の喫茶店でランチを食べたり、近所を散策しては時間を過ごした。夕刻になり、家に戻ると既に新しいベッドが運び込まれていた。

「夕食の献立、何か要望ありますか?」
「えっ、いいの?」
「い、一般的なものしか無理ですけど。」

アオイはリクエストは、天婦羅だった。と言うことで、裏の小屋にある茸や畑の野菜を収穫しては天婦羅にした。

本当にアオイは料理が出来ないらしく、私が一品作る度に目を輝かせて見ていた。





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