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牧場物語生活へトリップ!?

第63章 春五日


「た、ただのお客さんなだけよ。あ、ひょっとして仲良さそうに見えて嫉妬したとか?」
「嫉妬?面白くない冗談だな。少し離れたら気付きにくいかもしれないが、治療中ずっと匂ってたんだぞ。」
「何のよ。」
「男の体液の匂いだ。こんな匂い染みつかせておいて、そんな言い訳出来る訳無いだろ。」

レイチェルは顔を赤くしては、逃げる様に病院から出て行った。

「ほんと、気分悪い。」

その時のアオイの顔、初めて見る無表情。

「・・・大丈夫?」
「・・・あぁ。」

アオイは私に近付き、ギュッと抱き締める。

「んっ、莉緖の甘い匂いと少し混ざった俺の匂いがする。」
「えっ?そ、そう?自分ではよく分からないけど。」
「・・・ホッとする、優しい匂い。ごめんな?あんな人でも、一応は患者だから。」
「ううん。ねぇ、怪我をした理由聞いてもいい?」

アオイは私から離れ、診察台に座らせた。直ぐ隣りには、体温を感じるアオイ。

「各農家に聞き回ったらしい。マホさんと共に。でも、結構激しい拒絶をされたみたいで、逆切れしたレイチェルが悪態を付いたら追い払われる羽目となって・・・たまたま掃き掃除していた爺さんが振り回した竹ぼうきで怪我をしたんだと。連れて来たマホさんから聞いた。拒絶をされる原因を作ったのが、莉緖だと散々吠えてた。もう、待ったなしだろうな。レイチェルの処遇。」
「えっ、それってどういう?」
「村の野菜、レイチェルがいる限り納品されることは無いだろうな。」

そんな事になったら、素泊まりの宿屋でしか営業できなくなる。今まで、口コミも良く色んな観光客が利用していた宿屋なだけだけに勿体ない。

「そ、それと、あの観光客のことは本当なの?」
「ん?あぁ、偶然だが直接耳にしたからな。病院に行く途中で、昨日の三人組を見かけて話しているのが聞こえた。」
「そんな噂が知られたら・・・。」
「だからこそだ。レイチェルはマホさんの顔に泥を塗った。もう、これ以上庇えないだろうな。宿主のゴッホさんに顔向け出来ない。」

そんなの、マホさんたちは踏んだり蹴ったりではなかろうか?でも、それも全て私のせいだと言っているんだよね?

「いい加減、自分でやらかした不始末は自分で処理しないとな。莉緖のせいではないし、気にするな。また、文句言って来るなら俺が対応する。」


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