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牧場物語生活へトリップ!?

第61章 春三日


「あの、何か?」
「どうしてアオイさんをかどわかしたの!?アオイさんは私が狙っていたのよ?」

レイチェルさんの言い分に、私は呆然。確かに、アオイも言っていたけど彼は優良物件だ。本来なら宿屋で寝泊まりする予定だった。それを私が誘ったから同居となったのだ。

「あんたみたいな農作業しか出来ない小娘に、アオイさんは勿体ないわ!!医者の嫁になるのは、私みたいな美人だと相場が決まっているの。私には分不相応だと言って別れなさい。後は私がアオイさんを慰めて恋人になるから問題ないわ。」

凄い剣幕で、自分の言い分を言い放った。

「・・・農作業しか出来ない小娘ですか。では、そんな小娘が作った作物なんて必要ありませんよね?明日から宿屋に野菜を卸すのを止めますね。」
「はっ?それが何だって言うのよ。農家なんて他にもあるんだから、あんたの野菜が無くても困ったりする訳ないじゃない。」
「そうですか。分かりました。じゃあ、思い立ったが吉日と言いますし、今日から早速取りやめにします。で、部外者が勝手に大事な畑に入って来ないで貰えます?」

パパが作ったこの世界を馬鹿にされた気分だった。大人しく引き下げるなんて絶対に出来ない。

「な、なんて生意気な小娘なの!!アオイさんに言ってやるんだから。内面は気が強くてとんでもなく性格が悪い女だって。そうしたら、あんたなんて直ぐに捨てられるわ。」

捨て台詞の様に叫んでは、敷地から出て行った。どうやら、病院へと向かったのだと思われる。

私は言った通りに宿屋用の出荷を取りやめ、通常の出荷に変更した。後で何か言われたら、レイチェルさんとの会話を言おうと思う。ひょっとしたら、他の農家と取引するかもしれないけれど、そうなったらそうなったで仕方ない。

それより、アオイの方だ。どう思うだろう?レイチェルさんが言った通りに、私に愛想を尽かすだろうか?

本当なら私も病院に駆け込んで・・・と思ったけれど、レイチェルさんの思った通りにはならない気がした。アオイは優しい人だ。少しぶっきら棒なところがあるけれど、人の痛みを知っている。

それに、一方の言い分だけを信じる様な人には思えなかった。宿屋でどんなやり取りをしたかは知らないけれど、私は信じたかったのかもしれない。

でも、凹むものは凹む訳で・・・。


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