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牧場物語生活へトリップ!?

第60章 春の二日


ハンバーグを焼いている間、彼がポツリと呟いた。

「・・・ものは我慢したらダメだな。」
「ん?何か言った?」
「うん?我慢することばかり覚えたら、簡単に掻っ攫われるかもと実感してただけ。」

意味が分からず、彼を見上げると触れるだけのキスをされた。

「も、もうっ、キスし過ぎ。」
「仕方ないだろう?したいんだから。それともムッツリの方がいいか?じぃっと莉緖の唇見てる俺ってどうよ?」
「それは嫌。幾らイケメンでも気持ち悪い。」
「だよな?一応場所は選ぶつもりだから諦めろ。」

ここまでオープンなのもどうなの?

「そうやってあんまり可愛い顔するな。襲うぞ?」

思わず体がビクッとしたら、彼は楽し気に笑った。

「か、揶揄ったの?」
「まさか、本気も本気だ。あ~、ハンバーグの焼ける匂いが最高に美味そう。」

うん、彼はオープンで思ったことをちゃんと言う人だ。

焼き上がったハンバーグをオーブンから出しては、青葉と大根おろしに醤油ベースのソースをかける。早速、夕飯だ。

「「いただきます。」」
「んっ、ハフッ、美味い。絶対に莉緖を嫁に欲しい。あんな風に一緒にキッチンに立てたらいいなって思った。」
「うん。そうだね。アオイは料理は何が出来るの?」

そう尋ねたら、少し考え込んでいる。

「一般的なものはそれなりに。ただ、それが莉緖の好みに合うかどうかは分からないな。今度、何か作って欲しいものがあれば作ってもいいぞ。」
「じゃあ、オムライス食べたい。」
「分かった。オムライスな。」

楽しみだ。でも、私よりすっごく美味しかったらそれはそれで少し凹む。だからと言って不味いのもどう反応していいから困るけど。

「やっぱり、いいよな。莉緖の様に思った事を言ってくれるのは。」
「元カノと比べてる?」
「すまない・・・ちょっと比べてしまった。アイツ、何も言わないのに裏で・・・からな。」

少しだけ寂しそうな顔をした彼だった。

「私のこと、お喋り雀とか思ってない?」
「思う訳ないだろう?俺はなるべくフェアでいたいんだよ。片方だけが一方的に我慢なんて絶対に嫌だからな。」
「そうだね。私もその方がいい。心も健康にいたいもの。」
「そうだな。俺もそう思う。」

大きな手が私の頭に触れて、ワシャワシャと撫でられる。

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