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牧場物語生活へトリップ!?

第59章 春の初日


口を大きく開けて笑うタイプの人ではないけれど、パパと同じ様な一見取っ付きにくいけれど、優しい人だった。そう言われたら、好みのタイプはパパみたいな人だと友達に言ったら理想が高いと言われたっけ。

でも、大好きだから仕方ないよね。勿論、優しくて温かいママのことも大好き。そうそう、双子の兄とも仲はいいんだよね。パパに似てイケメンだから、すっごくモテるのに特定はいないみたい。

妹の私にお膳立てをとよく言われたけれど、兄が嫌がるからお膳立てはしたことはないけれど。何度か、兄のファンから意地悪された事があったけれど、兄が相手に直談判して意地悪を止めさせたのは有名な話しだ。

シスコンだと周りから騒がれたけれど、「家族を大事にして何が悪い」と言って余計にファンを増やしていた気がする。勿論、私も兄のことはとっても大事だ。

「あ、雨?これは不味いな。」
「良かったら雨宿りして行って下さい。食後に珈琲でも淹れますから。何なら、お菓子も付けますよ。」

少し考え込んでいる様だけど、私の好意に賛同した。だって、土砂降りなんだもの。この後、他のお宅にも挨拶周りをすると言っていたし、この状況では無理だよね。

食事が終わり洗い物をしようと流し台に立てば、隣りに立って手伝ってくれた。家族以外とこんな風にキッチンに並んだことなんて初めてだ。ちょっと、緊張する。

彼が洗ってくれて、私が食器を拭く。その流れ作業の中、とっても空気感が穏やかだった。相変わらず、外は土砂降りの雨だけど。

珈琲を淹れる間、彼は私の手元を見ていた。そんなに見られると緊張する。

「莉緖は、恋人は?働き者だし食事も美味い。それにそんな可愛い容姿をしていれば、村の男共は放っておかないだろう。」
「いませんよ。アオイさんは?」
「浮気されていたから捨てて来た。」

予想外の返答だった。思わずポカンとして彼を見れば、注いでいたお湯が手にかかり思わず「熱っ!!」と言えば、慌てて彼が傍に来ては流水で手を冷やしてくれた。

「大丈夫か?他に掛かった場所はないか?」
「だ、大丈夫です。」

お医者さんらしく、私の手を注意深く見ている。男性らしく大きくて意外にもゴツゴツした手が私の手に触れている。

「あ、あの・・・もう大丈夫かなと思うんですけど。」
「火傷を甘く見るな。折角の綺麗な手が勿体ないだろう?」

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