第49章 後期の学校の始まり
数日後。今日は理人が友人たちと、自動販売機へと行ってしまった。故に、私の傍には彼女の二人が居てくれる。そして、会話の内容は、シルバーウイークのお出かけの話しだ。
理人の友人たちって、お金持ちが多い。だって、みんなマイカー持ってるし。運転だって慣れている様だ。
いつものメンバーで、コテージに泊りがけで出掛けることになった。メンバーの内の一人が、経営しているコテージを格安で提供してくれることになったから。
今までこんな経験なんて無かったから、浮足立っているのは理解している。だから、普通に声を掛けられて笑顔で振り返ってしまったんだ。
そこに居たのは、元カレだ。少し離れた場所に、こっちを見ている元親友もいる。
「何か用?」
言葉を投げかけたのは、呆然としている私ではなく楠 茜。サッパリとした性格で、気遣いも出来る人。
「楠さんにじゃないよ。俺は莉亜に声を掛けたんだけど。」
「何であんたが、莉亜ちゃんを名前呼びするの?」
「図々しいよね。」
辛辣な言葉を吐いたのは、勝浦 南。長身美女。私もたまに圧倒される。
「か、関係ないだろう。いいから、ちょっと来いよ。聞きたいことがあるから。」
「あ、もしもし、三浦くん?勝浦だけど、貴方の可愛い恋人が、いやみったらしく捨てた男が誘って来てるわよ?」
み、南ちゃん・・・声が大きい。教室にいるクラスメイトたちは、一斉にこっちを見たよ。
そして、元カレ・・・こんな顔するんだって言う様な、イライラした表情。これが素だったのかな。
因みに自販機はこの校舎の一階。教室は8階。そんなことを考えていると、理人の友人が2人戻って来た。私たちの傍にいる元カレに気付いて、間を割って入って来た。
「へぇっ・・・お前の今のその顔が素ってことか。」
指摘されて、表情が戻った。自覚が無かったらしい。
「元サヤに戻りたいわけじゃないんだろう?昨日だって、そこの彼女と校舎裏で乳繰り合ってたんだしな。」
元カレと元親友の顔色が変わった。えっ?真実なの?
「でも、あんなとこでヤるのはおススメしないけどな。何人かに、彼女の胸元見られてたと思うぞ。俺は背が高いから、胸全部見えたけど。」
えげつない攻撃、いや、口撃だ。でも、そんな場所で何してんのやら。理人ですら、そんなことしない。