第48章 現実ともう一度の初めて
チラチラと私を品定めしているかのようだ。
「理人くん、来てたんだ。」
「彼女のこと、そんな目で見ないでください。」
「え、彼女って理人くんの?へぇっ、理人くんはこういう子が好みなんだね。」
ニヤニヤしては、私を見ている。
「安住さんは、声掛けたら簡単に股を開く女性が好みですよね。俺は理解出来ないし、理解しようとも思いませんけど。あぁ、俺が子供だからとかそういうのはいいんで。ま、精々足元掬われないように頑張ってください。」
理人が一気に捲し立てた。
「り、理人くんなら引手数多だろうね。」
「安住さんって、ハーレムでも作りたいんですか?俺は量より質だと思うんで興味ないです。ただ、引手数多なのは事実ですけど。」
そうか、引手数多・・・まぁ、納得せざるを得ない。事実だから。
「そう言いながらも、ウチのマドンナに声掛けられたら分からないだろう?」
「俺がこの前声掛けられたからってヤッカミですか?俺は興味ないんで断わりましたけど。」
「えっ、行かなかったのか?」
理人は心底面倒臭そうな顔をしては、何当たり前のこと言っているんだという目を向けていた。
「出来上がった人格より、俺色に染められて素直で可愛い子が好みなんで。」
「えっ?それは・・・。」
「もういいですか?デートの邪魔しないで欲しいんですけど。」
年上相手にも引かない理人に、私は見ているだけしか出来なかった。そして、更にもう一人現れた。
「安住くん、私の息子のデートを邪魔しないでやってくれ。何なら、代わりに私が相手をしても構わないが。」
安住と呼ばれた人は、理人の父親の顔を見て真っ青になって逃げてしまった。そして、私はと言うと、慌てて立ち上がって頭を下げて自己紹介した。
「こちらこそ宜しく。安住のことすまないね。私の方から言っておくから、許してやって欲しい。」
「大丈夫です。気にしません。」
「そうかい?理人、今度ウチにも連れて来なさい。」
ウチって、理人の実家?えっ、何か言われるの?
「近い内に行くよ。それと、あの人追っ払ってくれてありがとう。」
「ああ。じゃあ、またな。失礼するよ。」
どうやら偉い人らしい。
「ごめん。気分悪くなった?」
「ううん。少し吃驚したけど、大丈夫。理人が守ってくれたから。」
「そう。ホント、莉亜って可愛いな。」