第46章 農業生活 夏 十三日目
片付け後、カミルは帰宅。私はと言うと、リヒトがその気になったからと今晩のメニューはサラダ饂飩になった。後は、立派な豚の角煮と、卵豆腐。
「リヒト・・・怒ってる?」
「怒ってる様に見える?」
そう言われて、リヒトの目を見詰める。眼福です!!リヒトに微笑まれて、つい抱き付いてしまう私。
「少しだけ・・・機嫌が悪そう。」
「フフ、莉亜には敵わないなぁ。でも、反撃が成功したから誤飲は下がったよ。」
「ありがとう、リヒト。」
私を信じ、守ってくれた。その事が嬉しい。
「僕の方こそ。」
「でも・・・。」
やっぱり、リヒトもカミルもモテモテだ。分かってはいるけど。
「僕は莉亜だけのものだよ。信じて?」
「信じてるけど・・・。」
「フフ、嬉しいなぁ。好きな子に、こんな風にヤキモチ妬かれるのって。少しだけ、ゾクゾクするよね。」
はい?ゾクゾク?好きな子って言われるのは嬉しいけど、その後の言葉が何となく物騒に聞こえるのはどうしてだろう?
「でも・・・夏だからか、ああいう人はどうしても多くなるんだよね。僕も迷惑でしかないんだけど。」
そんなキッパリと迷惑って・・・。若くて綺麗な人とか可愛い人とか巨乳とか・・・色んな人が来るだろうけれど、とそこまで考えて思わず自分の胸を覗く。
巨乳ってどれくらいからが巨乳だろう?チラッとリヒトを見上げると、ニコッと微笑まれた。
「僕は充分だと思うよ。それに美乳だと思うし。」
私の考えている事を見通されているっ!?
「莉亜が望むなら、僕は協力を惜しまないよ?揉めば大きくなるって言うものね。」
下ネタ的なことを言っているのに、何でもないように聞こえる。そうサラッと言われてしまうとこっちもどう返答していいか・・・困ってしまう。
「莉亜が願うなら、精一杯頑張るからね。」
頑張るって何を・・・とは言えない。そんなことを言ってしまったら、とんでもないことになりそうだ。
「ね?だから、お願いって莉亜は言うだけでいいんだよ?」
何か、どんどん外堀埋まって行ってる気がする。でも、何って言えばいいか分からない。
「莉亜、お願いって言って?」
「そ、それは・・・その・・・。」
「莉亜?」
腰にはリヒトの腕。そして、リヒトの瞳が私の目を覗き込む。視線を合わせたらヤバいことになる!!じゃあ、どうするっ!?