第45章 農業生活 夏 十二日目 R指定
朝からノックアウトされそうになったけれど、何とか持ちこたえる私。
今朝の茸のオムレツはとても美味しい。でも、リヒトの手がたまに背を撫でたり、太ももを撫でたりして食事に集中出来ない。
今日は、スキンシップが激しい。
朝食後、週末はカミルは来ない。リヒトに手伝って貰って、畑作業だ。今日は新しく、レタスの種蒔き。
「フフ・・・。」
「?どうかしたの?」
「うん、レタスが出来たら、莉亜は直ぐに食べちゃうだろうなって思って。」
想像しては楽しそうに笑うリヒトに、反論したかったけれど自分自身遣りそうで何も言えなかった。
「あ、向日葵も大きくなってきたね。随分たくさん植えているけど、ひょっとして・・・目的は向日葵の花の出荷ではなく、種の方かな?」
「そ、その通りです。」
「胡桃もそろそろ収穫出来るだろうから、同じ様に食べられるね。」
そうだった・・・。珈琲豆のように木や枝を揺すって実を落とす作業をしなければならない。
「本当に、ここは宝の宝庫だな。」
でも、収穫が大変だけどね・・・。そろそろ唐辛子も成長するだろうし、怒涛の収穫祭りが始まりそう。
「ねぇ、お昼は何を食べたい?」
「えっ?う~ん、どうしようかな。」
「迷うなら、川で体が冷えるだろうから温かいものでもいい?」
川の水は凄く冷たい。温かい食事・・・。辛い物とか?
「麻婆茄子食べたい。」
「手軽でいいね。じゃあ、そうしようか。」
出荷箱に野菜を入れて、汗を流しに行く。この後の川遊びのことを考えたら楽しみで仕方ない。新しい水着もあるしね。
昼食はいつもより少し辛めのリヒト好みの味付け。私には少し辛かったけれど、体は温まった。
食事の後、水着を着こんで川へと下りていく。リヒトが飲み物やおやつを用意してくれ、それも楽しみの一つ。
川に入る前に、準備運動も忘れない。大きな浮き輪に掴まり、川へと入っていく。暑いこの夏日、川の水は気持ち良かった。
が、リヒトが何やら考え込んでいる。
「どうかしたの?」
「あ、うん。莉亜の水着って、露出多いよね。」
そりゃあ、ビキニだもん。でも、ここには他の住人は来ない。隔離されたエリアだから。誰かに見られることも無いし。
「なるべく、体を冷やし過ぎない程度に水から上がろう。風邪ひくといけないから。」
あぁ、そういう心配してくれてたんだ。