第44章 農業生活 夏 十一日目 R指定
何度も言うが、ここは外だ。通行人がいる。何って、羞恥プレイだ。そっと見上げれば、視線に気づいたリヒトに微笑まれる。
アワアワしてしまう私を見て、リヒトはあろことか唇にキスした。周りの黄色い声が盛大に上がる。私はと言うと・・・リヒトに唇を貪られるまま呆然。
満足そうに笑みを浮かべては、唇を離したリヒトに私は羞恥で真っ赤になっていた。
「可愛い。食べてしまいたい。」
「お、お手柔らかに・・・。」
「フフ、断わったりはしないんだね。嬉しいよ。」
断わるなんて・・・反動が怖いので無謀なことしません。でも、今の私たちはバカップルそのもの。幾ら慣れたとはいえ、それは家での話だ。
恥ずかしさを紛らわす為に、ポップコーンの減りが早かった。気付いたら、ハムスターの口の様になっていた。
「可愛いなぁ、莉亜は。ほっぺが膨らんでる。」
そう言われたので、リヒトの口にも詰めておいた。そして、隣りで笑っているリヒト。時折髪をリヒトの指で梳かれたり、頬擦りされたり受け身中。
「リ、リヒト、帰ろう。直ぐに帰ろう。」
若干、手遅れな気がしないでもないけど。
「もう帰るの?あぁ、帰って僕に抱かれたい?」
リヒトの言葉を聞いた通行人に、温い目を向けられた。その中には、観光客でリヒトをうっとりと見ている女性たちもいて、羨ましそうな眼差しを向けられた。
「夜まで待てないなら仕方ないね。僕も嬉しいし、じゃあ、帰ろうか。」
何か違う!!そう思ったけれど、もう訂正するのも諦めた。足早に帰宅して・・・そう、帰宅するなりリヒトにハグされた。
「リヒト?」
「ごめん・・・莉亜があんまり可愛いから。」
謝ることじゃないし、家なら全然OKだ。私からも、リヒトにハグしておく。
この後、肉料理をガッツリ食べて、シャワー浴びて寝室へと入った。買い物は楽しかったけれど、リヒトがモテることを再確認させられた。
仕方ないと思う。こんなにカッコイイんだから。リヒトの瞳が特に好きだ。ずっと見ていたいって思う。但し、家の中で・・・だけど。そんなことを考えていると、リヒトに抱き上げられ、ベッドに寝かされた。
そこで、艶のある眼差しを向けられ、こう言われたんだ。