第43章 農業生活 夏 十日目
若干厚めにスライスしてくれて、残りは冷蔵庫へ。食事と共に、食べることになった。リクエストのミネストローネは、何故か寸胴鍋。お客さんにも出すらしい。
ランチを美味しく頂き、私はリヒトに言われた通りに家の中で活動することにした。機織り機に行っては、何種類かの糸をセット。そろそろ、ベッドのシーツも新しくしたいし、カーテンも変えてみたい。
何種類かの色合いを作っては、後は好みをリヒトに聞こう。
そうそう、新しい機材を購入した。かき氷機やその都度、欲しいと思ったものを選んだ。そして、ウチの財政は潤っていた。良かった~っ、頑張って働いて。
「あ、この布地綺麗・・・。肌触りも、どうしてこんなにスベスベなんだろう?そろそろ、亜麻に綿も栽培しておこうかな。」
寒くなって来たら、綿はたくさん必要だよね。規則正しい機織りの音に、私はいつの間にかウトウト・・・。
そして・・・目を覚ましたら、寝室にいました。あれ?いつの間に?記憶が無い。リヒトが運んでくれたのだろう。そんなことを考えていると、部屋のドアが開いた。
「あ、起きたんだ。疲れた?大丈夫?」
「うん、ありがとう運んでくれて。機織り機の音が子守歌みたいで、つい気持ちよくなってたみたい。」
「僕が止めないと、際限なく動きそうだよね。」
ベッドに腰掛け、私の髪を撫でる。
「お店は?」
「終わったよ。夕飯出来たから、呼びに来たんだ。あ、カミルなんだけど、これから自宅で夕飯を食べることになったから。その方がおばあさんも喜ぶだろうし。お昼だけは変わらずに、賄い出すことにしたから。」
そっか、おばあさんだって一人の食事は寂しいよね。口数多いタイプじゃないけど、それでも傍に居てくれた方が嬉しいと思う。
「ミネストローネって、完売したの?」
「あ、ごめん。完売しちゃった。と言うか、お替りする人が多くて、足りなかったくらい。今日のトマトも美味しかったからね。また、作るから。代わりに、トマトが丸々入ったコンソメスープを作ったんだ。」
興味津々。夕飯はリヒトと楽しく食事。その後は入浴。リヒトの足の間に座り、体はリヒトに靠れかかる。
「いいね~、お風呂。」
「そうだね。こうして、僕に寄りかかった莉亜が傍にいるし。それに・・・触り放題だし?」
って、油断も隙も無い。最近は、本当にガツガツしてるリヒト。