第43章 農業生活 夏 十日目
「リヒト、触り過ぎ。」
「うん、知ってる。」
そう言いつつ、触れるのを止めない。
「続きは寝室でしようか。逆上せてしまうよね。」
お客さんの中には、観光客もたまに来ているだろう。若い女の子たちなら、リヒトたちを見たら関わり合いになりたいと思うかもしれない。でも二人揃って、ある意味塩対応だよね。
妬いてしまうのが馬鹿らしくなるほど・・・。それでも、妬いてしまうのだけど。カミルが大事にする彼女を、見てみたい気がする。性格も見た目もいいのだろうなと思う。
「莉亜、考え事?随分と、僕に慣れたってことかな。」
あれ?いつの間にか、ベッドに組み敷かれてる。リヒトの顔が近い。私の変化を見逃すものかというように、じぃっと見詰めてる。綺麗な蜂蜜色の瞳で。
そんなリヒトの首に腕を回し、自分からキスした。そういて、事が始まっていく。かと言って、見逃してはくれないだろけれど。
それでも、今晩とてトロトロに溶かされて弛緩していく心と体。繋がった体は、溶け合い一つになっていくようで・・・。
確かに感じる、リヒトの気持ちに酔いしれながら愛し合った。
情事が終わると、早く打つ鼓動が中々収まらないリヒト。
「もっと、いい?」
「うん。リヒトがしたいならいいよ。」
「今日のお店は楽しくて、気持ちが高ぶってるのかもしれない。じゃあ、甘えさえて貰うね。もう・・・止めないからね。」
えっ、止めないって何?リヒトが体を起こし、髪を掻き揚げる。ドキッとさせられるほどの色気を漂わせては・・・執拗に何度も食べられる羽目となった。
お店、楽しかったんだね。それは良かった・・・。良かったんだけど、こういうことが今後も続くのだろうか?いや、続くのだろうな。
そんなに毎晩と思うけれど、聞いたところで、肯定の返事しかないだろうなと分かる。
そして、今晩も私が力尽きても、リヒトが満足するまで抱き潰されるのだろう。あ~、明日の私の体が心配。
いつも先に離脱してしまうけど、今日はお昼寝が長かったから・・・うん、本当に夜通しだった。そして、キラキラした笑顔の下に隠された、捕食者の様な鋭さ。
リヒトから与えれる熱に浮かされながら、やっと満足したらしいリヒトの腕の中で抱かれて眠った。リヒト・・・人の事言えないよ?程々にね?