第42章 農業生活 夏 九日目 R指定
そう、出るのが早いんだ。でも、明日でもいいかな。
「そんなにソーダ割、気に入られてるんだね。」
「お蔭様でね。ウチは同種類の果実も付けてるんだ。グラスの淵にカットした果実を差して。」
二度美味しい?私も飲みたいかも。
「莉亜、少しだけ抱き締めさせて。」
ギュッと腕の中に抱き入れられる。そんなリヒトの体に、私も腕を回す。うん、心地いい。
「ランチ、何が食べたい?」
「オムライス。」
「分かったよ。」
キッチンに戻ると、カミルは名残惜しそうに最後の一口のプリンを口に入れていた。ぶれないな・・・カミルの甘党。味わって大事に食べていたんだね。
「ご馳走様でした。」
「うん。じゃあ、カミル手伝って。莉亜がお腹空かせているから、さっさとオムライス作るから。カミルは野菜サラダ頼むよ。」
何か、私が食いしん坊みたいに言われてる。でも、リヒトのオムライスは絶品だ。トマトソースが死ぬほど美味しい。そして、密かにオニオンスープが好きだ。
「そう言えば、ハムが少ないですね。」
「あ、私がお昼から作るから。」
「あの・・・また、俺に分けて貰えませんか?祖母が食べたがってて・・・。」
カミルのおばあちゃんっ子に、私はリヒトを見た。頷いてくれたので、了承した。
「莉亜、中々、僕も作ることが出来なくてごめん。」
「気にしなくていいよ。リヒトは家族なんだから。」
「ありがとう、莉亜。」
とびきりの微笑みをくれました。笑顔が眩しい。そして、安定のカミルはスルーだ。流石である。
さて、作業場に来ました。冷蔵庫にはブロック肉が・・・うん、たくさん。そう、たくさん。
でも、慣れたもので手際よくハムとソーセージも合わせて燻製機にセット。更に、チーズと焼き豚も一緒に入れておいた。明日が楽しみだ。今度は、燻製したチーズでピザを作って貰おう。
そして、時計を見れば、夕方を回った頃。キッチンに行くと、カミルの姿は無かった。店も閉めているみたい。
「お疲れ様、リヒト。お店閉めたの?」
「あ、莉亜。うん、お疲れ様。キリが良かったからね。カミルは残りのハムを持って、もう帰ったよ。」
今日の夕飯は、鶏肉の甘酢炒め。夢中になって食べた。ご馳走様、リヒト!!また作ってね。
「じゃあ、お風呂に行こう。」
片付けの後、今日は三度目の浴室。