第35章 農業生活 夏 二日目
「えっ、追い出されるって・・・。」
「仕方ないんじゃない?莉亜のところの出荷分、減らされることになったら由々しき問題だろうから。莉亜は頻繁じゃなくても、気が向いた時の出荷量って半端ないからね。あの松茸にしてもだけど。」
確かに・・・。連日ではないものの、思い立った時の出荷量が多くなるのは、ゲームの時でも同じだ。だって、いつの間にか収納スペースが無くなっているんだもん。
「あの松茸、本当に美味しかった~。出荷量が多かったから、僕も購入出来たんだよね。焼き松茸にしたんだけど、ジューシーだし香りも良くて。だから、またお願いしたい。」
思いの丈を言ってくれたクベルに、私は笑顔で頷く。
「リヒトさんは、食べました?」
「うん。贅沢させてもらったよ。(まだ、売るくらい冷蔵庫に入っているけど)」
「あ、そろそろ行かなきゃ。じゃあ、ご馳走様でした。」
軽快に馬車に乗り込んで、行ってしまった。
「莉亜、出荷はこまめにしようね。」
「うん。明日は、松茸以外の茸の出荷やろうかな。」
「店にも分けて貰おうかな。パスタにも使いたい。」
茸を栽培している小屋には、かなりの収穫が見込める。でも、その前に茸の種?を作っておこう。それと、布地の在庫も増やしておこう。
「どうかした?」
「リヒトって・・・何を着ても似合うんだろうなぁ。あ、そうだ。お祭りの時の浴衣も依頼しなきゃ。」
「浴衣・・・莉亜の浴衣姿、是非見たいなぁ。」
私は、リヒトの浴衣姿が見たい。
「機織り機のセットしてくる。」
「菫色がいい。」
「えっ?菫色?リヒト用?」
確かに、色っぽさが余計に際立ちそうだ。が、リヒトは首を横に振った。あれ?違うの?
「お揃いがいい。」
「お揃い・・・。う~ん・・・。」
菫色は私も好きな色だ。でも、着こなせるかと言えば・・・。リヒトみたいなイケメンならまだしも。
「ベースを同じにして、柄や模様を別に入れるとかどう?」
「柄や模様?柄・・・分かった!!」
リヒトには濃い紫や差し色を縦じまに入れたものにしよう。私は花の模様を入れてみよう。結果的に、予想以上のいい出来栄えの布地が出来た。感無量である。リヒトにも見て貰ったら、気に入ってくれた様だ。
機織り機の高性能には脱帽ものだ。そして、その傍らの機材では、材料から糸が紡がれている。キラキラしてる?