第30章 農業生活二十八日目 (R指定)
具沢山のサンドイッチには、分厚いハムを挟んだ。ポタージュのスープを作り、後は温野菜。食事の準備が出来た頃、ドアの開く音がしてリヒトが現れた。気怠そうな体に反して、瞳だけは熱が籠っていた。
「おはよう、莉亜。」
「おはよう。」
「ありがとう、作ってくれたんだ。」
今回はテラスではなく、リビングでの食事。背後霊の如く、リヒトが後ろから私をハグしている。いつもと逆で、リヒトに食べさせている私。たまに、指を舐められるけど。
「リヒト、他に食べたいものは?」
「食べたいもの?」
いきなり、耳を甘噛みされてから、私を食べたいと熱い吐息混じりで言われてしまった。そして、甘噛みは止めてくれない。
「莉亜・・・今度は、僕が気持ちよくしてあげる。」
逃げようとしたが、無駄だった。
「僕をこんなにトロットロにしてくれたんだから、ちゃんと僕も莉亜をトロットロにしてあげる。たまには、体を重ね合って一日終えるのもいいよね?」
「え、一日?」
「ごめん・・・もう、体が疼いてどうしようもないんだ。気持ち良かったんだけど・・・やっぱり、莉亜の中がいいなって思うから。」
リヒトの背から、大きくて真っ黒な翼がはためいた様に見えたのは気のせいだろうか?
「大丈夫だよ。ちゃんと正しく抱き潰してあげるからね?」
だ、抱き潰すって言った!!それに、正しくって何っ!?
「ご飯食べて元気が出たから、今度は僕が頑張るね?」
あれ?今、リヒトに抱き上げられてる・・・。リヒトの開けた鎖骨から、誰かが付けたキスマーク。誰だよ、そんなとこに付けたの。私だった!!
「リヒト・・・本当に・・・するの?」
「あんなに煽っておいて、このまま終わると思う?心配しなくても・・・正しく抱き潰してあげるから大丈夫だよ。フフ、正しくね?」
寝室のドアが閉まり、私は覚悟した。程々にしておけばよかった。後悔ばかりが頭の中を占めるけれど、ブラックリヒトになったリヒトをどうすることも出来なかった。
夕方・・・そう、夕方。リヒトの腕の中で、ご機嫌で私にご飯を食べさせている。食べている場所は寝室である。腰を正しく砕かれた私は、身動きがとれなかったのが理由だ。
「はい、あ~ん。夜はこれからだからしっかり食べておかないとね?まだまだ、体力使うだろから。」
「えっ?も、もうっ・・・。」