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牧場物語生活へトリップ!?

第23章 農業生活二十三日目


鍬で畝を作り、パセリの種を蒔いていく。風が吹けば飛んでいきそうな、小さな小さな種だ。元々、コレクション好きの私だからか、シード機を購入してからの種や苗のストックが大量にある。だから故の、倉庫も特大サイズなのだけど。

種蒔きが終わると、リヒトは昼食の準備の為に家へ戻った。残された私は、ジャム用の果物の収穫。

「葡萄・・・んっ!?甘くて瑞々しくて美味しい。この葡萄から、機材を通して赤と白のワインが作れるのは不思議だよね。美味しいから全然いいんだけど。林檎は収穫したから、後はサクランボ。」

でも、このサクランボの人気度はかなりのものだ。うん、試食っ。

「やっぱり、神の領域の甘さだね~。って、自画自賛だけど。でも、まだいっぱい育ってるなぁ。腐らないのが有難いな。」

大きな果物たちの木を見上げる。二本ずつしか栽培していないけど、十分な収穫が得られるのは嬉しい。

「ってことで、もう一個っ!?」

いきなり掴まれた手が、そのもう一個を攫って行く。

「リ、リヒトっ!!」

「ん、美味しいね。で、莉亜から随分甘い香りがするけど・・・どれだけ、試食したのかな?」

「ま、まだ、二個目だよ・・・サクランボは。」

正直者の私に、リヒトが目を細める。

「僕のご飯、食べたくないの?」

「えっ、ごめんなさい。次からは程々にするから、ご飯無しはヤダ!!」

切羽詰まった私の言葉に、リヒトは笑い出した。

「そんなことはしないよ。でも、程々にね?」

「うん。ごめんなさい。」

「いいよ。今回は許してあげる。次はお仕置きだからね?」

ヒィーーーッ!!心の中で、盛大な悲鳴を上げる。何度も、頷いた私。ご飯抜きもお仕置きも御免被りたい。

「さぁ、ご飯だよ。」

収穫した籠をリヒトが持ち上げ、私の手を掴み歩き出す。家、目の前なんだけど・・・。嬉しいから、何も言わないでおく。

お昼はかき揚げ丼。何種類もの野菜や海老などが入った、豪華なかき揚げがご飯の上に乗っていた。因みに、かき揚げは結構好きな方だったりする。

春キャベツの浅漬けに、若芽スープ。天つゆと抹茶塩も並べられていた。喜び勇んで噛み付いた私だったけれど、熱くて泣きそうになった。

視界の端で、リヒトが何か言いたそうにしていたけれど、お腹が減った私は気にせず痛い事故。リヒトが慌てて冷たい果実水を渡してくれる。

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