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死が2人を分つまで

第1章 出会い


「昨日の話の続きなんだが。養子ではなく、親戚の子を面倒見ている、というのはどうだい。そうすれば君はどこに属することもない」

これが妥協案だろう。
ここまでお世話になっているのに反対する理由もない。

「ありがとうございます。お受けします。」

「ありがとう。だが親戚関係になるんだ、もっと砕けた話し方にしてほしいな。ちょっと他人行儀じゃないかい。」

「まぁ、お父様ったら、大切な話ですのに、ずっと拗ねてらっしゃるのね。」

「では、おじさん?この街に図書館ってありますか?」

「図書館か、とりあえずID発行まで待ってくれるかい?一番大きい図書館があるが、そこではデジタルアーカイブ化されている文献が読み放題だ。だがわざわざ行かなくてもそのタブレットで買えばいいさ」

「紙の本はないのですか?」

こちらの世界に来てから機械で動くものばかりで適応するのに苦労する。

「でも、貴重な文献は一部紙として残されてますわ。中には閲覧できないものもあるかもしれませんが。」

「ふむ、何が知りたいんだい?」

「私の祖国についてです」

「確かに、サラが居た国がどうなっているのかはきになるだろうな。私が人を使って調べさせよう。」

「いえ!私が個人的に知りたいので私自身で調べます。」

「そうか・・・」

先ほどタブレットで調べた日本は衝撃的であった。二度も核を落とされ、第三次世界大戦でまた核を使われたのである。
唯一の被爆国であるというのに・・。
そしてもう日本という国はほぼないに等しい。

「とりあえず、明日先生のところへ行こう。フィジカルデータをとっていち早くIDを作ろう。」

「おじさん1人の権限で作れるのですか?」

「いやパトリックにも君のことを話したんだ。」

パトリック?と聞き返す。

「ああ、議会のメンバーで、ラクスの許嫁の父でもある。」

「許嫁?ずいぶん時代錯誤な気がしますが?」

「痛いところをつくね、これがこコーディネーターさ。遺伝子が複雑になりすぎたせいでうまく受精ができずこともの出生率が低下しているんだ。そのためプラントでは遺伝子によって許嫁をある程度決める制度があるんだ。もちろん強制ではないがね。」

「ラクスはそれを受け入れているの?」

「ええ、一度アスランにあって見てください。とっても優しい人ですのよ。」

そうかたる彼女は幸せそうに微笑んだ。
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