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死が2人を分つまで

第4章 危険な香り


その瞬間壁に体を打ち付けられる。

「何者だ、あの研究所の者か?」

どうやら彼には秘密があるらしい。

腕を頭の上で固定される。

「離しなさい」

「君は・・・。誰だ?」

掴んでいた腕を離された。
どうやら害をなす存在ではないと認識されたようだ。

ピピピピ

「なんだ。」

通信の内容を聞かないようにガラス越しに見える整備兵の動きを見る。

「サラお嬢様」

「サラで結構よ」

「ではサラ、そろそろ食事の時間だ。向かおう。」

手を伸ばされたのでその手を取るとそのままグッとひっぱられ、彼に抱きつく形になる。

「興味を持った」

「あら、少女を口説いているの?」

「ふっ、君は実に魅力的だと思うがね」

この男と向き合って食事するのは苦痛であった。

特に会話をすることなく食事を済ませる。
ふと懐かしい火薬の匂いがしたと思った瞬間体が動く。

「伏せろ!!」

クルーゼが叫ぶと同時に発砲音がする。
エレカの後ろに身を隠す。
武器がない、ここは彼らに任せるしかない。
爆発音がした方に目を向ける。
どうやらレストランが爆破したようだ。

「青き清浄なる世界のために!!!」

数人の男が叫び、目につく者すべてに発砲していく。

「いやぁぁぁ!!」
「助けてくれ!」

人々の叫び声が聞こえる。
何もできない自分に憤りを感じる。

「ママ!!!」

その叫び声に反射的に体が動く。
飛び出して見ると2人の男が乱発していた。

「サラ!」

子供の叫び声に反応した男が子供に銃口を向ける。
男との距離を詰めう相手の腕を蹴り上げると同時に発砲する音がする。
子供達は間一髪打たれなかった。
一瞬で状況を把握しそのまま男の足をけり体制を崩す。
仲間が反撃されているのを知ったもう1人の男がこちらに銃を向ける。

「死ね!」

しかしその男はザフト兵によって撃たれた。
クルーゼに抱きかかえられ、クルーゼが足元の男を撃つ。
あちこちから叫び声が聞こえる。

「サラ、怪我は??」

久しぶりの砂塵と鉄の匂い。
人々の叫び声。
クルーゼが手で視界を遮る。

「あまり年頃の少女が見る者ではない。」

覆われた手を退ける。

「これは何?テロリスト?」

「おそらくブルーコスモスと呼ばれる者たちだ。彼らは少々過激でね。コーディネーターは皆滅ぶべきだと主張している。」

「ブルーコスモス・・」
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