• テキストサイズ

死が2人を分つまで

第1章 出会い


その日はつきっきりで今の世界情勢をラクスに教えてもらった。空飛ぶ飛行機ができたばかりの時代に生まれた私には想像もできないことばかりだ。
なぜナチュラルとコーディネーターが対立しているのか、なぜ宙に住んでいるのか、地球はどんな状況なのか、そしてシーゲル・クラインの立場も。
一般家庭ではないと思っていたがここまでの重要人物だったとは。

「これをお渡しします。」

金属の板を渡される。

「これで今サラが知りたいとを色々検索することができます。」

使い方を教えてもらい部屋に戻る。
元は客間だったらしくベットも机もある。
どれも一目で高級品だとわかる。
ちなみに一番最初の部屋はガラス張りで落ち着かないということで辞退させてもらったのである。
私の知りたいこと。
もちろん祖国である日本についてだ。そして、私が死んだ後私の存在は公表されたのか。
知りたいことはたくさんある。

コンコン

「夕食のお時間です。」

どうやら熱中しすぎたみたいだ。

「今向かうわ」

タブレットを閉じ、ダイニングへ向かう。

「やあ、こんばんは。」

シーゲルが声をかける。

「こんばんは、すみません、朝挨拶できなくて。」

「いや、いいんだよ。また無理して倒れたらいけないからね。」

「ありがとうございます。ところで”先生”は?」

「先生は自分の病院へ戻られました。もっと居たかったそうですが・・。」

「私はもう大丈夫よ。」

思ったより心配されているらしい。

「おやおや?いつの間に仲良くなったんだい??僕も入れてくれよ。」

プラントの代表だというのに、その親しみやすさが面白く。

ふふふと声に出して笑ってしまった。
シーゲルが目を細めた。

「よかった、少しづつ馴染んでいるんだね」

「ええ、みんなよくしてくれますから」

目の前にお膳が運ばれてくる。

「アジア出身だと言って居たでしょう?日本料理を用意して見ましたの!中華と迷ったのですがどうですか?」

「ええ、とても嬉しいわ。」

フォークが置いてあったが箸を取り一口いただく。

「どうですか?日本料理って初めてでシェフも戸惑って居ましたの」

「美味しいわ。でも味付けはちょっと違うわ。日本は出汁を使うの。」

「出汁??」

親子が揃って不思議そうに尋ねる。

その姿が面白くまた声に出して笑った。
/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp