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死が2人を分つまで

第4章 危険な香り


「ただいま帰った」

無機質な声が聞こえてくる。

「あら、あなたお帰りなさい」

「お邪魔してます」

「お帰りなさい、父上。」

「ああ、よくきたな。」

抑揚が少なく感情が読み取れない。

「もう、あなたったら、サラがせっかく来てくれたのに、無愛想ね〜」

「いや、その、ゆくっりしていってくれ」

どうやらうまいことバランスが取れた夫婦らしい。
少しだけ感情が見えた気がした。

「ええ、ありがとうございます」

「・・あとで少し話がしたい」

「はい」

「あんまり脅さないでよ。ごめんなさいね、悪い人ではないのよ。ちょっとみんなに誤解されやすいけど、可愛い人なのよ。」

「レノア・・!」

動揺しているようだ。
どうやらこの家は完全に彼女が掌握しているようだ。
レノアは楽しそうに微笑んだ。
食事はレノアのおかげが和やか雰囲気になった。


「書斎に向かう。サラも。」

食事が終わり、パトリックに呼ばれる。
少し心配そうな目で見て来たアスランが気になった。
書斎に案内され、ソファーに勧められた。

「今日はよく来たな。」

「こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。」

「単刀直入に聞く。君は誰だ?シーゲルの親戚?どう聞いても納得いかない。」

「そうですか、」

「シーゲルに取り入って何をする気だ?何が目的で近づいた?」

「目的などありません。ナチュラルである私を気遣ってくれただけです」

「血の繋がりはないのか?」

「はい。」

「ではどんな繋がりがあってシーゲルといるんだ。」

「なんの繋がりもありません。」

「どういうことだ?」

「これ以上は私の一存では話すことができません。」

「ますます怪しいな。」

雲行きが怪しくなる。
少しストレスをかけて見たが、目の前の少女は少しも動揺することがない。
それどころか余裕さえ見える。

「肝の据わった女だ」

「ありがとうございます」

「両親は?」

「すでに亡くなっております」

「そうか、出身は。」

「地球です」

「どこだ。お答えしなければなりませんか?」

少し下手に出てみると動揺しているのがわかる。
どうやら悪い人ではなさそうだ。

「いいや、大丈夫だ」

「私が何か目的があってラクスやおじさまに近づいているのではないかと心配なされたのですね。心配ですのね。」
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