第4章 危険な香り
クライン邸に着きしばらく部屋でぼーっとしていた。
するとラクスから連絡が来た。
「サラ??お元気ですか?こちらは忙しいですが、初めてのステージですのでワクワクしていますの。」
「そう?よかったわ。」
「あらあら、少し元気がなさそうですわね。そうそう!私が戻るまでザラ邸で過ごすようにレノア様から提案されましたの!」
「レノア様??」
「ええ、アスランのお母様です。パトリック様も父の代わりの代表としてアプリリウスに残っていますし、アスランもいます。この機会に仲良くなってくださいね、」
「打ち合わせ再開しまーす」
「はい!では、明日の10時ごろに迎えがいきますので。では!!」
「あっラクス・・。」
しばらく見ないようにしていて気づかなかったが、どうやら何度も連絡していたようだ。
その中にイザークからの連絡も会った。
いずれ彼とは正式な場で会う可能性が高い。
今はまだ知られてはいないが、いつまでも秘密を守り続けることは難しいだろう。
彼はきっとナチュラルを受け入れない。
「明日、行く準備しなきゃ。」
思考を停止させた。
そして鼻の奥がツンとしたが知らないふりをして、明日が楽しみで仕方ない風に装ってみる。
てっきり使用人だけが迎えに来ると思っていたがアスランも来ていた。
「いきなりごめんね。母親が無理言ったみたいで。」
「ううん、ありがとうございます、アスラン。」
「敬語なんて使わなくていいよ。あ、荷物貸して。」
「ありがとう。」
そのままエレカに乗り込む。
人見知りなのか照れ屋なのか、目が合えば笑いかけてくれるが会話をすることはほぼなかった。
しかしそれほど気まずくはなかった。