第3章 向けられる瞳
ソファーに座り話題になっていた映画を選ぶ。
ちらっと隣を盗み見るとサラと目があった。
「イザーク?」
「あ。いや、服しんどくないのかと思って・・・。」
ぴったりとした、体のラインが綺麗に出るブラウスにタイトスカート、確かにリラックスはできそうにないが・・・。
いや、これはセクハラになるじゃないか?!しくった!!
「そうね、リラックスはできないけど、着替える服もないもの。」
言われてみればそうかもしれないが。
「ルームサービスで頼んで見るか。」
「いいえ、大丈よ」
「そうか」
とそっけない返事をして映画をすぐに流す。
集中しよう。流した映画は恋愛映画だった。しかもドロドロの何角関係なのかわからない恋愛映画だ。
キスシーンどころか激しい表現も多い。
しくった、よく聞くからと安易に選んだ先ほどの自分を殴りたくなる。
横目でサラを見ると顔を真っ赤にして俯いていた。
「すまない・・。こんな内容だとは思わなくて」
「いいえ、こんなものが流行っているのね。」
そっとイザークの方をみる。
変な空気が流れた。
心臓の鼓動が大きくて彼に聞こえるのではないかと思うほどだ。イザークの手がそっとサラの頰に触れた。