第3章 向けられる瞳
何を言っているんだ俺は!表には出さないがいますぐ叫び出したい気分だ。
「えっ?ええ、そうね・・・。」
頭がうまく回らなく反射的に返事をしているようだ。
いいのか!?驚きがあったが、彼女の体調がだんだん悪くなっていると感じた。
「じゃあ、移動するか?」
とりあえず、ラブホテルではなくしっかりしたホテルに行こう・・・。
母に知られると面倒なので、会員制の口が固いホテルを選ぶ。ここならたとえ親でも、母が議員でも情報を漏らされることはない。
「大丈夫か?」
移動している間にぐったりして来たサラに声をかける。
「部屋に入ったらすぐ横になれるからな。」
「ええ」
返事するので精一杯のようだ。
部屋につきすぐにベットに横にさせる。
「イザーク?」
「何も言うな、休んでいろ。」
有無を言わさず休ませる。
そっと瞳が閉じられ、すぐに規則正しい寝息が聞こた。
珍しいな、コーディネーターで熱なんて。
そんなことを考えながら、サラが起きた時のための食事や薬を手配した。
「んっ、イザーク?」
どうやらサラが起きたようだ。
「起きたのか、体調は?」
「体が軽くなったみたい。」
「なんか食べれるか?」
サラの元までスープを運ぶ。
「うん」
どことなく子供っぽい態度が甘えられているようで、嬉しくなる。
サラの隣に座り、スープを手渡す。
食べ終わったあとお互いに喋ることがなく気まづい雰囲気になった。
「久しぶりだな。」
「そうね、いつぶりかしら。」
お互いにあったのは二週間以上前なのだ。
「映画でも見るか?」
すぐに話題がなくなりありきたりなことを振ってしまう。
映画?サラはまだ見たことがない。
この世界を知ることで程いっぱいだったからだ。
「ええ、見てみようかしら。」
そう答えるとベットの布団をめくり手を差し出してくれる。その手を取り小さなシアターがある部屋へ移動した。