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死が2人を分つまで

第3章 向けられる瞳


「サラ!!」

どうらやとっくにラクスに食事が終わっていたようだ。

「ラクス、お待たせしたわね、先に帰っててもよかったのに。それよりも、後ろの方は?」

見慣れない藍色の髪の毛の少年がそばにいた。

「はじめまして。アスラン・ザラです。」

少年が手を差し出す。

「サラ・アデルです。」

彼の手を握り返す。

「ああ、初めてでしたわね。彼は、」

「前話してくれた方でしょう?」

「ラクスから聞いていたんですか?恥ずかしいなぁ」

手を頭の後ろにまわし、照れている。
少し大人びていたが少年ぽさが垣間見えた。

「アスラン」

「父上」

やはり、さっきいたこの人はアスランの父親だったのだ。

「サラ・・・・。君も今度ラクスとともに屋敷に来るといい。」

私を一目見て無表情で話しかけられる。
しかし嫌な気はしない。

「ありがとうございます。またお会いできるのを楽しみにしています。」

「ああ、アスラン、行くぞ。」

「はい。ではまた、ラクス。サラもぜひうちに来てください。」

そうして2人は帰っていった。

「我々も帰ろうか。しかし、パトリックは君のことを気に入ったようだな」

ふむふむと言いたげな表情でシーゲルが声をかけてきた。

「そうだったら嬉しいですわね。」

久しぶりの緊張する場面だった気がする。

前はずっとこんなことばかりだったのに。

「流石に少し疲れましたね。早く帰りましょう。」

そうして3人も帰路についた。
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