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死が2人を分つまで

第1章 出会い


「聞きたいことはたくさんあるが、とりあえず名前を教えてくれるかい?」

「・・・沙羅と申します」

「よろしくね、サラ」

私に手を差し出す。
助けてくれた恩はあるものの、まだ油断はできない。

「ええ、よろしくおねがいいたします。」

「さて、では始めようか」


医者の言っていることが理解できなかった。
プラント?聞きなれない地名だ。
私が知らない地域かしら?あんなに街が発展していたというのに。
私があんな大都市を知らないとは思わなかった。

「色々聞きたいんだがね、まずは僕の方から現状をお伝えするよ。君は今14歳のナチュラルだね?・・だが信じられないことに君の遺伝子は今のナチュラルとは少し違うんだね。自分でもバカなことをいうようだけど大昔の人間か、とても閉鎖的で今も我々に発見されていない部族か・・・。なんてね」

「大昔?」

あまりに突拍子のない話でつい口にしてしまった。

「今何世紀なのですか?」

「今はコズミックイラ69年ですわ」

話が見えない。だが彼らが嘘をついているようには見えない。

「ええ、今は5月になりましたのよ。」

少女が優しく微笑む。

「・・私の国は?」

「私の国?やはりプラントの人間ではなかったようだね。君はどこの国の人なのかい?誰か連絡が取れる人はいるかい?こんなこと言いたくなんだがね。プラントで暮らすには肩身の狭い思いをすることになると思うんだ。」

「先生!」

非難するように声を上げる。

「いや綺麗事では生きていけないよ、クライン嬢。僕もナチュラルとコーディネーターが共に仲良く暮らしていければとは思うよ。だがそこまで世界は単純ではないんだ」

ナチュラルとコーディネーター、そ言葉の意味はわかる、だが何かをさしている言葉なのかはわからない。

「ナチュラルとコーディネイターとは?プラントとはどこの国ですか?何大陸にあるのでしょうか?あなたは誰ですか?」

思っていたことを口にすると急に不安が押し寄せてきた。鼻の奥がツンとする。私と共にいた人は?父や国は?

「・・・今日はここまでにしよう。また明日お話ししよう。」

「私も今日はお話ししないほうがよろしいですか?」

「いや、年が近いもの同士なら話がはずむかもしれないからね。無理しない範囲でなら許可しよう」

「今日は何も考えず、安静にしてるんだいいね。」
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